第32回ORCオープン
優勝は種目を問わない強さを魅せた大井直幸
6月21日の日曜日。大阪市の『玉出ビリヤードACE』(予選は『マグスミノエ』『タツミ』併用)において、『第32回ORCオープン』が開催された。この試合はORC(大阪ローテーションクラブ)が主催・主管を務めるオープン戦で、創設時から一貫してローテーションゲームを採用。予選は180点、決勝は240点先取で行われた。運営には紅い揃いのベストを纏ったORCのメンバーが会への誇りを持って臨み、今年もスムーズな大会進行に。
決勝会場となった『玉出ビリヤードACE』
240点先取のゲームだと最長で4ラック、計60個のボールを沈めたところでゲームセット。決して長くはないが、短い時間でもプレイヤーは満足感を得られ、観る側にとってもスリリングな展開が見どころ。そして起こりそうで起こらないのがトーナメントの番狂わせで、本大会の過去5年の優勝者は、2010年から順に
吉岡正登、
嶋野聖大、
杉原匡、
大井直幸、
川端聡というスター選手の名が並ぶ。
3位タイ・玉登新也(徳島・TPBC)
そして今年もJPBAの有名選手と日ごろローテーション競技に慣れ親しんでいるアマチュア連盟員が激しいバトルを繰り広げて、ベスト8には枠順に玉登新也アマ(徳島・TPBC)、児玉利洋、
清川正士、大井、
浅野正人、山岡修二(大阪・ORC)、
竹中寛、杉原というメンバーが残った。そして準決勝は玉登vs大井、山岡vs竹中といずれもプロアマ対決に。玉登は先日の都道府県対抗で日本一に輝いた徳島県チームのエース的存在で、山岡もまたORCを代表する選手として活躍を続ける名手。一方、プロの大井と竹中はともにコンディションに苦しんだ様子だったが、それでも要所は締めてトッププロの貫録を見せた。
3位タイ・山岡修二(大阪・ORC)
そして竹中のブレイクで始まったファイナルは、第4ラックを待たずに大井が14番を沈めたところでゲームセット。その間、2度のラックを組む時間を含めて37分少々。途中、ジャンプショットで豪快なミスをした竹中が「よし!」と発声して場内を爆笑させたのは、JPBAのポイント対象外の試合、それも大阪ならではのものか。
準優勝・竹中寛
こうして終わってみれば「また大井」。今年すでにJPBAの公式戦で3勝をあげている大井は、年初には『京都オープン』でも大会3連覇を達成していて、このORCオープンでは2年ぶり2度目の戴冠。昨年は準優勝だったので、ここ3年のORC連対率は京都と同じく100%。(ボールの数が)9個でも10個でも15個でも強く、調子がよくても悪くても観る者を楽しませる大井。すっかり大阪に溶け込んで、まだまだ新しい伝説を生み出してくれそうだ。
Akira TAKATA