撞球甲子園がいよいよ開幕した。日本アマチュアポケットビリヤード連盟(JAPA)の年間行事の中でも最大級のビッグイベントであり、連盟員にとって憧れの舞台。プロの中でも「あの試合は出たい」と囁かれる人気の団体戦が。事前の告知通り40都道府県48チーム、240人の選手が朝9時30分を前にビッグホエール(和歌山市)に集結した。
この大会は、会場に入ると「あの試合は出たい」の意味をすぐに思い出す。全国から集まった同じ競技を愛する面々との再会。喜びを増幅し、悔しさや悲しみを前向きな思いに変換できるのも、チーム戦ならではのもの。そしてグループリーグでは1人計11試合を体験できるフォーマット。この会場では、ビリヤードの良い部分だけを抽出してプレイヤーを満足させていると言っても過言ではないだろう。開会式の選手宣誓では、昨年優勝の沖縄チームが沖縄方言を交えて行い、全国大会であることを再認識させてくれた。
また、参加者の中には飛び抜けた技術と実績を持つ選手もいて、そうしたプレイヤーのテーブルには自然とギャラリーが集まる。今日も朝一番の試合でつい先日に防衛を果たしたばかりの大坪和史球聖(広島)がいきなり120点のハイランを披露していた。またビッグネーム同士の対戦は高い視聴率を示し、さらにゲーム後の談笑シーンも団体戦ならではのもの。
激しい戦いだけでなく、今大会は全国から集ったプレイヤー達の交流の場でもある
初日とはいえ夕方になると各チームは随時更新される成績表で情報を集め、すでに応援団が駆けつけて大声援を送っている県もある。そして神奈川Aチームは最初の4回転で20勝0敗というスタートダッシュを決めて、今年の最難関ブロックと目されたCブロックの中で頭2つ抜け出す初日となった。
またハイランチェックも最終回転に入った段階で120点をマークした選手が14名いて、その中には前出の大坪のほか、すでに喜島安広(埼玉)が複数回、醍醐雅人(千葉)、椿眞貴人(山口)といったタイトルホルダーも記録しており、明日を含めると120点をマークする選手が数多く出てくるのではないかと見られる状況だ。そしてチームで昨年の順位と比較する『ジャンプアップ賞』も注目を集めている。昨年、37位と過去に例のない順位につけた古豪・大阪(A)は完全復活で優勝争いを狙い、また最下位(46位)だった岐阜も球聖戦西日本代表の木村隼人を擁して順位の飛躍を目指し、この2チームが競り合うと予測。
明日も朝から試合を行い、昼過ぎには1試合毎に入れ替わる順位に歓声と悲鳴が場内に響き渡ることだろう。その先にある緑の優勝旗。今年はどのチームが持ち帰るのか。300人以上が取り囲み、ボルテージ最高潮の中で優勝チームが決まる。そして初日を終えた各グループのトップは以下の通り。