第26回大阪クイーンズオープン
今週末は大阪市住之江区の『マグスミノエ』へ!
1989年に始まった『全日本女子ナインボールオープン』が、2013年に開催地や大会主旨の見直しとともに『大阪クイーンズオープン』と改称した。大会回数は引き継いだので、今週末の5月23日(土)、24日(日)に大阪の『マグスミノエ』で開かれるトーナメントが第26回目を数える。余談だが、今年2月に放送された『ミライ☆モンスター』という番組内で、谷山和子が『全日本女子ナインボールオープン準優勝の強豪』と紹介され、「強そうな髪型」と不思議なコメントが付いていた。
さて、この大会が始まったのは平成元年。第1回大会を原田美恵子、第2回は嶋崎和子と、歴代優勝者にこの2人の名が並ぶだけで、大会の格式と伝統を感じられるところ。だが、その後の優勝者を、それも優勝数順やファイナル進出などで追うと、さらに興味深く大会を追うことができる。今回はちょっと懐かしい話を交えながら。
大会史上最多勝の河原千尋、やはり優勝候補の筆頭の1人
過去25回開催されたこの大会の最多勝タイは3名。1度目の優勝時期順に並べると、高木まき子、栗林美幸、河原千尋で、いずれも3勝。続いて2勝組が、佐田有希子、三浦陽子、梶谷景美。前の2人はすでに引退しているが、佐田有希子は当時の専門誌が『SK(佐田・梶谷)時代』と表したこともある、梶谷と同期の有力プレイヤー。そして1勝を現役のプレイヤーから挙げると、山内公子、曽根恭子、大井由希子、夕川景子、李佳といった豪華な名前が並ぶ。
さらにファイナル進出回数でランキングをつけると、原田、梶谷、栗林が5回で首位タイに。そして高木が4回、次いで三浦、河原の3回。これはかなり興味深い数字で、この大会はまさに『全日本女子』の冠が相応しく、見事に『クイーン』の名が並んでる。
今年プロ初優勝を果たした青木絵美は勢いに乗って上位にいくか
そして今シーズンのJPBA女子はここまで2戦。『関西オープン』は河原が優勝で準優勝は久保田知子。『全日本女子プロツアー第1戦』は青木絵美が初優勝を果たして、準優勝は光岡純子だった。大会数が減って1試合のウェイトが重くなる中、男子とは真逆で日替わり状態と言ってもよいだろう。
過去2勝の梶谷景美、9年振りの優勝はあるか
だが、この大会では3連覇という連勝記録を持つ河原は海外戦(アムウェイ)や男子の試合(西日本GP)などでも好感触で、仕上がり精度は高いと見られる。梶谷や栗林も試合への調整で失敗は予想しにくく、そうした歴代クイーンたちと、先の青木のような新勢力との攻防も見所の1つとなりそうだ。
また、高木の3度の優勝は1995、96年の2連覇と2005年。そう、この大会史上、"5"のつく年は、すべて高木が優勝している。今年は2015年。そして最後に、この大会は2007年に1度だけ不開催となった。翌2008年以降、栗林は4年連続でファイナル進出を果たし、産休育休で不出場となった2年をはさんで、復帰した昨年に優勝を果たしている。つまり、本大会出場時5連続決勝戦進出を継続中。(3優勝2準優勝)今年の戦線については日替わりと記したが、栗林限定でこの大会をさかのぼると、大井直幸もビックリのモンスターぶり。
昨年覇者、栗林美幸。1年振りの優勝はあるか!?
そんなバックストーリーがある大阪決戦は今週末。1つの大会結果で激しく変動するランキング。選手たちは本当に胃が痛くなる思いだろうが、そんなバトルだけに観る側にとってもスリル満点。決勝日にはペアマッチイベントや入場者先着60名にカムイグッズ(タップorチョーク)のプレゼントなども用意されている。一緒に写真を撮ってもらいサインももらい、オールスターの試合を間近で観戦する。そんな素敵な休日をどうぞ。
国内クイーン史の1ページが刻まれる瞬間を見逃す手はない。もちろん私も行く。
Akira TAKATA