第30期全関東選手権
A級は丸岡良輔が公式戦初優勝
東京は初夏と言って良いような気候だった5月17日(日)、渋谷の『CUE』で、ポケットビリヤードのアマチュア公式戦『全関東選手権』が行われた。数々の名手が手にしてきた伝統ある関東アマタイトルを目指して、今年は男女合わせて約150名が熱戦を繰り広げた。
女子級は佐原弘子が3年振りの出場で5度目のV
113名が参加した「A級の部」には、全国公式戦でもお馴染みのSAクラス選手も多数参加し、昨年同様テンボール(7ゲーム先取)のシングルイリミネーションで争われた。ベスト8は、関東各県のクラブ員(連盟員)7名と、昨年度覇者の酒井大輔(メッカ)という顔ぶれ。酒井は、持ち前のダイナミックなプレーとコンディション対応力の高さを見せて、ベスト8から神奈川のジュニア選手・林武志(KPBA)、東京トップ選手・榎本純久(TPA)を連破しファイナルへ。
会場となった東京・渋谷の『CUE』
反対の山からは、神奈川屈指のレフティー・丸岡良輔(KPBA)が、本間俊行、建川雄司という2名のSPA新戦力を倒してファイナルへ進む。この酒井vs丸岡のファイナルは、丸岡がスタートダッシュを決めて5-0と先行。酒井もランアウトのお返しで3-5とするが、反撃はここまで。「ファイナルの内容が一番良かった」という丸岡が、酒井の連覇を阻止して、自身初優勝を飾った。高い技量と経験を誇り、昨年KPBAに入会して、若きエースの小川徳郎と並んで早速トップクラスの活躍を見せている丸岡だが、アマ連主催・主管公式戦での優勝はこれが初めて。自身もKPBAの一員として初めて出場する月末の『都道府県対抗』に向けて弾みをつけた。
A級準優勝・酒井大輔
34名がエントリーした「女子級」は、ナインボール(7ゲーム先取)のシングルイリミネーションで行われた。3連覇のかかっていた注目の小西さみあ(AZ. Place)は、初戦のベスト32で敗退。しかし、それでも関東にはタイトルホルダーが多数いる。その内の一人、「最強アマ」の称号を欲しいままにする佐原弘子・現女流球聖が、3年ぶりの出場でトーナメントを駆け登る。ベスト8で元プロの野間多美子(バーズアイ)、セミ・ファイナルで急成長中のジュニア選手・奥田玲生(アストロ)を連破してファイナルへ。
女子級準優勝・丸岡文子
その対戦相手は、米田理沙(スミヨシ)、新谷通子(スティンガー)という実力者たちを倒して上がってきた丸岡文子。男子優勝者、丸岡良輔の妻である。ファイナルは実力伯仲、逃げる佐原・追う丸岡という展開のまま6-6のヒルヒルへ。最終第13ゲームは3番から丸岡がランアウト態勢に入ったが、ゲームボール(9番)がかなり薄いカットとなってしまい、惜しくもこれをミス。この瞬間、佐原の3年ぶり通算5勝目が決定した。「痺れる試合で楽しかった」と微笑んだ佐原。今後は『アマナイン』『関東レディース』『ジャパンオープン』へ参戦予定だ。
ジュニアとして大健闘した女子級3位タイ・奥田玲生
昨年からシングル・イリミネーションのワンデートーナメントに生まれ変わった『全関東』。今年は昨年より男女ともに参加人数も増え、ますます賑やかになり、競争も激化した。このまま「新生・全関東」が定着していくことを期待したい。
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