5月9日(日)に『第24期球聖戦・挑戦者決定戦』が広島市の『ビリヤードみゆき』で開催され、東日本代表の中野雅之と西日本代表の木村隼人がナインボール3セット先取(1セット=7ゲーム先取)というロングフォーマットで激闘を繰り広げた。
試合は木村が先行し、それを中野が追い上げる展開を繰り返し、第1セットは中野の逆転で、第2セットは中野の猛追を木村が交わしてセットカウント1-1に。続く第3セットは再び中野が大マクリを決めて2-1。このセットがターニングポイントとなったか、第4セットは初めて中野が先行する形となり、7-4のゲームスコアで中野が勝利を収めて挑戦権を獲得した。
惜しくも敗れたがガッツ溢れるプレーを見せた木村隼人
なおこの日も先の『女流球聖戦』から新しく導入された『デジタルタイマー』が活躍。45秒のショットクロックが採用された本大会では、15秒と30秒を経過したタイミングでブザーがなり、残り5秒でアラームがカウントダウンを行い、0秒になるとエクステンション(ワンラックに1人1回)で再び45秒からリスタートとなる仕組み。これはプレイヤーだけでなく、応援・観戦者にとっても持ち時間(情報)を共有することを実現させて有益なアイテムとなっている。
この試合でも新たに導入されたデジタルタイマーが活用された
両選手の奮闘に話を戻すと、ゲームボールを沈めた中野は、木村と固い握手を交わし、そして健闘をたたえ合うハグをした。「(会場や遠方から)応援をしてくれたみんなにありがとうと伝えたい」というコメントも両選手揃って同じニュアンスの姿勢を見せた。また木村は中野へエールを送った後で、「今日の試合は本当に本当に楽しかった」と、自身のビリヤードキャリアの中で最高の体験であったことを明かした。きっと今後に生かされるに違いない。
中野は昨年に続いて2年連続の東日本代表。そして1年前の挑戦者決定戦では西日本代表であった大坪に敗れて終了となった経緯がある。その大坪はフルセット、フルゲームの激闘の末に前球聖の喜島安広を破って、6年ぶり2度目の球聖位の座について、カップを広島へ持ち帰った。
銀色に輝くカップを巡る決戦は、先ほど中野のブレイクでスタートした。雪辱を果たすのか、それともホームで大坪が盤石の防衛を果たすのか。アマチュア界におけるナインボールの頂上決定戦の様子は、facebook(