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過去のニュース(2015年)

2015.05.07 プレイヤー

スイッチが入ったキム兄

第24期球聖戦西日本代表・木村隼人

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「(球聖戦)西日本代表の木村って誰やねん?」
「愛知の木村? アマローテで優勝した人かな?」
「いや、その木村の兄貴らしいで」

これは球聖戦西日本A級戦終了後に会場で交わされた冗談で、最初のセリフが代表の座に就いた木村隼人選手本人の言葉でした。ほのぼのとリラックスした明るい空気です。ですが、地元に戻った木村選手は重圧を背負い、自身の(元々がエンジョイ派な)スタイルをどうすべきかと悩み、キューを握ることさえ怖くなったといいます。

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3月の西日本A級戦では熊本の増田正彦を破って代表の座に


「ストイックに1人練習をコツコツというタイプとは真逆でしたから」。ゴールデンウィークの序盤に会った木村選手は、すでに何か吹っ切れた様子で、A級戦の時と変わらぬ明るい表情で迎えてくれました。「広島へ行ったら、まず最初の目標は1球を入れることです」。男らしく、そして爽やかに笑う木村選手。周囲の球仲間からは"キム兄"と親しみを込めて呼ばれています。

キム兄が元気を取り戻したのは「120%仲間のおかげ」だったそうです。「(ハウスなど)月例であちこちの店へ顔を出していたので」、お店や地域を超えて応援してくれる人がいる心強さが彼を支えました。岐阜出身で現在もGPBC(岐阜ポケットビリヤードクラブ)に籍を置き、今回のA級戦は同会へ復帰第1戦でした。現在居を構える愛知県のビリヤード仲間も無数にいて、つい先日も『祝勝会&壮行会』という名のもとに30人を超える仲間が岐阜・愛知から駆けつけてくれたそうです。

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ビリヤード仲間が木村のために『祝勝会&壮行会』を開いた


「元々、お酒の席はあまり好きじゃなかった」キム兄も、全力で準備を進めてくれる仲間の動きに感服。「行ってみたら『こんなに応援されてるんだ』と実感。それなら(大舞台に)チビっていた自分だけど、頑張ってみよう」と奮起し、以降は「不安もありますが、準備は着々。パワーアップして広島へ行きます」というテンションでキューを握る毎日を過ごしています。

正直、これほど仲間に支えられている選手というのは珍しいと感じました。しかし、まだまだ続きがありました。キム兄の周囲には、全国タイトルホルダーや同等の実力者たちがたくさんいます。そんなメンバーが、スケジュールを調整してスパーリングの相手を名乗り出てくれて、直前には本番と同じフォーマットでの"予行演習"までセッティング済み。

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びっしりと予定が組まれた強化スケジュール


もちろんキム兄自身も東海球聖戦では3年連続でファイナルを撞いた実績を持ち、代表にふさわしい実力を備えているのですが、どうにも笑いを交えたいタイプのようなので、このようにまわりくどい紹介となってしまいました。そして『球聖戦に向けての強化スケジュール』なる極秘文書のスクープにも成功。サラリーマンとは思えないキム兄のキャラクターがよく表われたスケジュール内容となっていました。

岐阜生まれの38歳。ビリヤードのキャリアはブランクを除いておよそ15年。スイッチが入ったキム兄。個性は残したまま、変革と成長を遂げ、万全の態勢で広島入りです。

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多くの人々の支えを力として挑む決戦は5月9日!


なお、祝勝会&壮行会が開かれたのは、冒頭の「アマローテで優勝した」木村義広氏が経営する『コスモス60』という名古屋市西区にあるフィル・ラウンジ。何でも『食べ放題、飲み放題、歌い放題、時間制限なし』と『すべてをFill(満たす)』がコンセプトでリーズナブルで人気のお店なのだそう。興味を持たれた方は『コスモス60』で検索を。

Akira TAKATA