西日本グランプリ第1戦
一昨年の北陸オープン以来の公式戦優勝を果たした北谷好宏
3月29日(日)、今年度の西日本グランプリ開幕戦が香川県の『ビリヤード だっく』で行われた。四国開催ながらこの日のエントリーは80名と盛況で、注目度の高さがうかがわれた。東京では桜が開花したこの日、球春にまず勝ち名乗りを挙げたのは、九州の北谷好宏だ。
会場となった香川県の『ビリヤードだっく』
北谷は10年前、同じダックで開催された'05年の『西日本グランプリ第2戦』で準優勝。'07年の徳島開催の『西日本グランプリ第5戦』では優勝しているから、四国開催のグランプリは実に連対率100%という驚異的な相性の良さを誇る。この日はスポンサーシードの
鎌田充昭、ベスト8で
山川英樹、準決勝で
福本宇太郎を倒しての決勝進出だった。本人曰く、初戦が一番危なかったとの言葉通り、この日は徐々に調子を上げて行った感がある。
3位タイ・福本宇太郎
反対の山を勝ち上がって来たのは、'12年以来2度目のグランプリ決勝進出となった
吉岡正登。この日の吉岡は凄かった。ベスト16戦、昨年度ランキング1位の
大井直幸を皮切りに、ベスト8では
竹中寛、準決勝では
川端聡と、グランプリ優勝の常連達をなぎ倒しての勝ち上がりだ。ちなみに昨年の西日本グランプリ5戦はこの3人が勝ち星を分け合っている。準決勝の川端戦では4-0リードからヒルヒルに追い付かれたものの、川端のファイナルブレイクが痛恨のスクラッチ。吉岡、これを取り切っての決勝だった。
3位タイ・川端聡
ところで、ベスト8では珍しいことがあった。福本宇太郎 vs
浅野正人と川端聡 vs
青木亮二の2試合がどちらも6-5でリーチをかけた場面だったのだが、福本が決して難しくはないゲームボールをとばすとその十数秒後、まるでそれが伝染したかのように川端もイージーなゲームボールをミスし、2テーブルがほぼ同時にヒルヒルになってしまったのだ。男子プロの決勝シングルではちょっと記憶にないシーン。もっとも福本&川端、それぞれ最後を締めて準決勝に進んだあたりはさすがというところか。
準優勝・吉岡正登
8年ぶりのグランプリ優勝か、はたまた悲願のグランプリ初優勝か、注目の一戦となった決勝だったが、試合はまさかまさかの展開に。3-0とリードを奪った北谷が第4ラックでも1番のセーフティ戦を制して4-0。そこから一気の上がり3連続マスワリであっさり勝ち切ってしまったのだ。40分かからない圧勝劇! 徐々に調子を上げて行った北谷と、難敵続きで少々疲れが見えた吉岡で大きな差が出てしまったのだろうか。北谷は一昨年の『第27回北陸オープン』以来の公式戦優勝となった。
吉岡との決勝では、北谷が圧巻のプレーを見せた
気温が上がるにつれ、プロの試合も徐々に多くなっていく。ランキング争いはこれからが本番。『西日本グランプリ第2戦』は4月後半に大阪で予定されている。また、次の男子全国オープンは4月18日〜19日の『第27回北海道オープン』だ。
On the hill