http://jpba-tohoku.com/ が発進!
日本プロポケットビリヤード連盟(JPBA)の活動は、全国9つに分かれた支部を最小単位として、その地域や規模に応じた活動がなされている(女子は東日本と西日本の2つのブロックをベースとしている)。
その中でもっとも規模が小さいのが東北支部だ。籍を置く男子プロの数は今日現在で6名。かろうじて県の数と同数を保っている状況だ。関西支部も同じ6(府)県だが、45名のプロが在籍しているので、規模の差は歴然としている。
人口とは反対に東北は広い。前出の関西2府4県のほぼ3倍の面積を有し、中国地方の5県を加えてもまだ東北地方の方が大きく、四国4県を足した計15府県で連合を組んで、初めて東北より広い面積を確保することができる計算だ。調べていて、これにはかなり驚いた。
東北で活動をしてきた女子プロも東北ユニフォームを着用
つまり東北のプロは隣県と交流を図ったり連携を強化するにも移動の負担が大きい。そんな状況下で、地道に一歩ずつ前進を重ねてきた東北支部。グランプリイーストの東北予選を開催するにしても、大阪-広島間くらいの移動距離であれば、近いとは言わずとも「遠くない」範囲だろう。
しかしこうした試合を"消化"に留めることなく、独自のシリーズスポンサーを探し、USTREAM配信を行って視聴率も徐々に伸ばしてきた。ユニフォームやポスターの作成費用などはスポンサー収入で補ってきたというから、着実に階段を登ってきていることは明らかだ。このように少ない人数に広大な地理的要素という不利を乗り越えてきた東北支部。彼らが掲げる『技術向上・選手育成』『地域密着型の業界発展』『社会貢献』という3つの理念に基づいて行動してきた結果だ。
東北支部選手会長として奮闘する鈴木淳プロ(右)と及川晋嗣プロ
そんな東北支部が先ごろ独自のホームページ『JPBA東北』を開設した。構想から約1年をかけて、少しずつ作り上げたという。今後は3つの理念に基づいた活動をより強く発信していくだけでなく、選手紹介や新イベントなども交えて、より前向きな行動とアナウンスを行っていくとのこと。
とはいえ、明るい話題ばかりではなく、東北支部所属の
林研字プロが今日開催されているグランプリイーストを最後に引退することを表明。東北代表として前戦(2014年第7戦)の
大井仁プロに続いて2大会連続で準決勝に進出を果たし東北勢の意地を見せている(※その後、決勝で
赤狩山幸男を下し、プロとしての最後の大会で見事初優勝を果たした。試合の詳細は明日のレポートで紹介)。試合前にコメントを求めると、「アマチュアに戻って東北でビリヤードをがんばっていこうと思います」とのことで、プロの肩書きは返上しても、東北ビリヤード人として活躍に期待が寄せられる状況だ。宮城県で活動していた
佐藤千晶プロが埼玉へ移ったのは先月。これも東北にとっては寂しい話。
東北はプロアマ問わずビリヤード愛好家の仲がよい
だがそれでも東北支部の歩みは止まらない。連携力と行動力は、他の支部を圧倒する域にある。そして穏やかながらも熱い想いは、ホームページの随所で感じることができる。この機会にサイトをご覧いただいて(
http://jpba-tohoku.com/)、JPBA東北について深く知っていただければ、と願いを込めて。
Akira TAKATA