『職育』の授業でビリヤードを体験
2月8日(日)、東京・池袋にある『ビリヤード・ロサ』(以下、ロサ)にて、子供達がビリヤードを体験するイベント『キッズビリヤード』が開催された。これは同じく池袋を中心に幼児・児童(1歳〜9歳)教育を行っている『グレートキッズ幼児・児童教室』(以下、グレートキッズ)とのコラボレーションによって実現した企画である。今回は同教室のレッスン内容の一つでもある『職育』というプログラムでのコラボだった。職育というのは、そこに通う子供達に様々な「おしごと体験」をさせるという取り組み。
先生を務めたのは左から福田豊選手と松村浩道プロ(写真右は教室の講師であり、グレートキッズを運営する『株式会社ウィッシュワールド』代表取締役社長の金生展子さん)
当日は午前10時からイベントがスタート。20人の子供達とその保護者の方々が、ロサの個室サロンに集まった(この日は3部屋の個室サロンの壁を全て取り払い、一繋がりのスペースにしていた)。スヌーカーの第一人者である福田豊選手、そしてビリヤード・ロサ所属の松村浩道プロがビリヤードの先生を務め、トリックショットなどを披露するたびにキラキラと輝く眼差しを集めることに。
ビリヤード・ロサの個室サロン3部屋を繋げて開催
子供達が取り組んだのは『イングリッシュ・ビリヤード』という、本来スヌーカーテーブルで行われる競技。使用するボールはプレイヤー2人用の手球(白・黄)、的球(赤)の3つで、ポケットやスヌーカーに共通の的球をシュートする「ポット」、手球をその他の2つのボールに当てる「キャノン」、的球に当ててスクラッチさせる「イン・オフ」の基本の3パターンの方法(その他に、それら3つのいずれか組み合わせた「コンバイン」という高得点の技もある)で点数を稼ぎ、トータルスコアが規定のポイントに達すれば勝利というもの。子供達はこれをポケットテーブルやミニテーブルを使用して楽しみ、ビリヤードという競技、プロという「おしごと」を身体で体験した。
ジャンプキュー程度の長さの短いキューが多数用意されていた
日本ではビリヤード愛好家にとってもあまり馴染みのない競技なだけに、上記のように文章で説明すると大人でも難しく思えてしまうかもしれない。だが、柔軟な脳と「予備知識なし」で臨む子供達の吸収力は凝り固まってしまった大人達の頭とは全く異なり、教えられたことをすぐに理解していく。
上背のない子供はミニテーブルでプレー
ブリッジを熱心に教わる子供達
将来のスポーツ界を背負って立つキッズ達が、学校でこれから出会う各種スポーツと同じく、またはそれより早い段階でビリヤードと接するこのような機会は、ビリヤード界にとって今後増えていかなければいけないケースだろう。ビリヤードと早い段階で「どのように出会うか」「その場を演出できるか」はジュニア獲得・育成の1つのテーマだ。
ロサではこの日を機に新しく「ビリヤードジュニアレッスン」というサービスを開始させ、また同時に「ファミリー料金」(中学生までの親子連れ)や小学生までが対象の「ジュニア料金」と若年層がプレーしやすいプランをスタートしているが(詳しくはホームページへ)、今回のようなイベントの一方で、こうした恒常的に彼らを受け入れることができる環境も改めて大切だと感じさせられる。