曇天模様の2月8日(日)、神奈川県大和市の『ビッグバン ロリエ』で、『第5回東日本神奈川10ボール』が開催された。本大会はアマ公式戦としては珍しい、「テンボール・7ゲーム先取・シングルイリミネーション」というフォーマットを採用し、立ち上げ時から関東エリアで高い人気を博しているトーナメント。昨年度大会は大雪のために2月から6月に延期されたことが記憶に新しい。
定員は128名。今年もやはり全国タイトルを保持するSAクラスから、ベテランAクラス、新進気鋭のAクラスまで上級アマが数多く参戦し、「大きな募集告知はしていないのですが」(主管のKPBA)、すぐに満員札止めになったという。そんな意欲的な面々の中にあって優勝候補筆頭と目されるのは、やはり昨年度の本大会覇者であり現『名人』でもある喜島安広(SPA)と、神奈川(KPBA)の若きエースで、本大会2年連続準優勝の小川徳郎の2人。
まず喜島はベスト128から、神奈川期待のジュニア・林武志(KPBA)やトップアマの中野雅之(TPA)などを相手に毎試合失点を4点以下に抑えて勝ち上がり、スピーディーに4強へ進出。一方の小川も、ベスト32の藤田竜(SPBC)戦ではヒルヒルマッチを戦ったが、それ以外は要所を巧くまとめてこちらもテンポよく4強へ。この両雄が激突したセミ・ファイナルは、小川がリードする序盤、喜島が逆襲に転じた中盤を経て、最後は小川がまた突き放すという見応えある展開となった(7-5)。
もう一つのセミ・ファイナルでは、第1回大会の覇者であり『神奈川県知事杯』タイトルも持つ技巧派の杉山進也(メイプルハウス)と、粘り強いプレーが信条で上位入賞アベレージの高い長谷川俊介(KPBA)が対戦。この試合は、終始巧みなボールコントロールを見せていた杉山が7-2で勝利した。
小川と杉山によるファイナルは、3-3までほぼ互角の展開。しかし、中盤以降、少し杉山のミスが目立ってしまったか。安定感を失わなかった小川は、その隙を突いて確実に加点し続けて7-3で勝負あり。今年も日付をまたいだビッグマッチの幕引きを自らの優勝で飾った。
優勝の小川は今年、都道府県対抗にも神奈川県代表として出場予定
今年のベスト16勢の内、神奈川を拠点とする者・縁のある者の数は実に12名。以前から「日本有数の層の厚さ」と言われる神奈川アマビリヤード界だが、その中にあって、昨年からKPBAにも籍を置いている小川は押しも押されもせぬトッププレイヤーと言えよう。今年は『都道府県対抗』など、初めて出る大会も含めて、例年よりアマ公式戦への出場が多くなりそうな小川。若きエースの更なる活躍に期待したい。