第1回中国式エイトボール世界選手権
アプルトンが中国式エイト世界選手権を制覇!
中国・玉山にて1月24日(土)〜2月2日(月)に開催された『第1回中国式エイトボール世界選手権』。日本からはJPBAの大井直幸や高野智央、JSAの福田豊といった選手達が参戦していた。そして世界からもトーステン・ホーマン(ドイツ)やダリル・ピーチ(イギリス)、キム・ガヨン(韓国)、陳思明(中国)、スヌーカープレイヤーのジョン・ヒギンス(イギリス)などのポケットビリヤードとスヌーカー界のトッププレイヤー達が多数参戦しており、第1回ながら世界選手権に違わぬ大規模な大会であった。賞金額もポケットビリヤード界からみると破格(優勝賞金:男子・約1130万円、女子・約750万円)。
そして男子決勝戦は14年のスヌーカー世界選手権覇者であるマーク・セルビーと08年テンボール世界チャンピオンのダレン・アプルトンのイギリス対決となった。21ゲーム先取という超ロングゲームの戦いを21-19でアプルトンが制した。女子決勝は張曉彤と白鴿の中国対決。こちらも17ゲーム先取のロングフォーマットで、17-13で白鴿が制した。
中国式テーブル、現在は日本で2台しかない(写真は『ドリームショット』にて)
さて、この日本では全く馴染みのない「中国式エイトボール」(あるいは「チャイニーズ・エイトボール」)。どのような競技なのかもよく知らない日本のポケットプレイヤーも多いはず。『チャイナオープン』など大規模なポケットビリヤードの世界大会を開催している中国だが、そのプレイヤーの数は一部地域を除いてそれほど多くはない。逆にこの中式エイトは中国全土で愛好者が6000万人と言われているほど、ポピュラーな競技だ。
最大の特徴はポケットの形状。こちらは中式エイトのコーナーポケット
こちらは『ブランズウィックVトーナメントエディション』のコーナーポケット
中式エイトのルール自体はほとんど通常のエイトボールと同様だが、特徴はそのテーブル。ポケットビリヤードテーブルと同様の大きさ(9フィート)で、ポケット自体の穴幅が狭く、丸みを帯びたスヌーカーテーブルのような形状になっている。ナップもあり、スヌーカーテーブルの9フィート版のようなビリヤードテーブルだ。また、ボールはポケットビリヤード用のものを使用する。
サイドポケットも同様で、ポケットが丸く、ボールが入りにくくなっている
日本では現在、この中国式テーブルは『ドリームショット』(東京都武蔵村山市)と『マグスミノエ』(大阪府大阪市)にそれぞれ1台しか設置されていない。ドリームショットでは中国式テーブルでプレーしようというプレイヤーが都心からも訪れているほど、一部ではその注目度が高いようだ。
現在のところ、今回のようなWPA公認の中式エイトの大会は予定されていないが賞金額の大きな大会が中国で今後も継続して開催されていく可能性がある。本日発売の『CUE'S3月号』では連載企画『HAMMERの中国台球レポート』で現在の中国のビリヤード事情をこの中式エイトの話題を中心に紹介している。
また、今大会前の1月初旬に開催された『2015 World Chinese 8-Ball Masters』に招待選手として参戦した大井直幸の帰国直後のインタビューではこの中式エイトについても語られている。今年、世界を席巻するかもしれないこの中国式エイトボールについて詳しく知りたいというプレイヤーはぜひこの2つの記事を読んで頂きたい。
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