第26回関西オープン
本日の決勝会場にもなっている大阪市西成区の『玉出ビリヤードACE』
2014年晩秋の『全日本選手権』から約2ヶ月。2015年の日本にようやく「プロビリヤードトーナメントのある日常」が戻って来た。昨年同様、JPBAプロトーナメントシーズンが『関西オープン』(男女)で開幕。1月24日(土)の予選ラウンドは早くも熾烈な戦いの舞台となった。
女子予選会場となった大阪市住之江区の『マグスミノエ』
24日昼に関東から大阪入りした筆者は、まず女子の予選会場『マグスミノエ』(大阪市住之江区)へ。今年はプロ・アマ合わせて55名が参戦し、わずか8枚の決勝会場への切符を争っていた。......と書くと殺伐とした雰囲気を連想するかもしれないが、さにあらず。プレーは真剣なれどオフタイムになれば皆が笑顔で新年の挨拶と近況報告を交わす。
大谷晃央が久々のトーナメント復帰(右は昨年優勝の栗林美幸)
特に今年は1年10ヶ月ぶりに人気プロ・
大谷晃央がプロ公式戦に参戦していることや、「北海道のビリヤード女子高生」平口結貴選手がTV撮影班とともに来阪したこと、さらにマグスミノエ所属の
大井直幸・
由希子プロ夫妻に教わっている15歳、村松さくら選手が本大会に初参戦した、など明るい話題も多く、新たなシーズンの始まりを強く意識した(女子の部ベスト8、対戦は以下の通り)。
河原千尋vs
夕川景子
曽根恭子vs菅野友紀
久保田知子vs大井由希子
平林英里子vs布川明子(アマ)
大会デビューを果たしたマグスミノエ所属、15歳の村松さくら選手
次に訪れたのは、マグスミノエのある住之江公園駅から地下鉄でわずか3駅。男子の予選会場の一つであり、翌25日の決勝トーナメント会場でもある『玉出ビリヤードACE』(大阪市西成区)。スーパーマーケットの2Fにあるビリヤード場という珍しい環境のこちらでは、2011年ナインボール世界チャンピオン・
赤狩山幸男を始めとして、
栗林達、
竹中寛、
田中雅明、
杉原匡といった国内トッププロ達が厳しい予選を戦っていた。
トッププロによる激しいサバイバル戦が展開(写真は竹中寛)
もちろん地元・大阪を始めとして全国各地からアマチュアも多数参戦しており、これぞオープン戦という熱気がフロアに渦巻いていた。特に栗林、竹中、田中、杉原の4名は、来月にフィリピンで開催が予定されている『テンボール世界選手権』も視野に入れながらの戦いとなった。「僕にとっては11年ぶりの世界選手権。自分が現地でどうなってしまうのかさっぱりわかりません」とニヤッと笑ったのは''サムライ''竹中寛だ。
男子予選会場となった東大阪市の『高井田ビリヤード』
さらに別の会場へ。関西のビリヤード公式戦の舞台としてお馴染みの『高井田ビリヤード』(東大阪市川俣)へ向かう。筆者が訪れた頃はちょうどダブルイリミネーションゾーンの戦いが大詰めを迎えようという状況。2敗してキューケースを背に会場を後にするもの、シングルトーナメント入りを目指して必至の形相でテーブルに向かうもの。まさに悲喜こもごもの生き残り劇がそこかしこで展開されていた。昨年度の『北海道オープン』覇者の
浦岡隆志が気合いのマクリで
松尾武司に逆転勝ちした一戦など、一瞥しただけで通り過ぎるには惜しい試合がいくつも見られた。そんな筆者の視界に吹き渡った爽やかな風。それは今年デビューを果たした「JPBA男子最年少プロ(23歳)」の正崎洋行。九州が誇る、3代に渡るビリヤード一家の血はプロの舞台で覚醒するだろうか。
期待のルーキー正崎洋行はベスト32に進出
男子の予選は他にも『タツミ』と『サン』でも行われており、合計4会場で総勢198名ものプロ・アマが参戦していた。決勝日に進めるのは30名だけだ。ベスト32のあとの2枠は昨年度覇者の
土方隼斗と、ランキングシードの
羅立文となっている(※2014年JPBAランキング1位の大井直幸が現在中国で開催中の『チャイナプール世界選手権』に出場しているので羅が繰り上がり)。果たして開幕戦を制する者は誰なのか!? 決勝ラウンドの模様はタカタアキラ氏がレポートする予定なので楽しみにお待ちいただきたい(男子の部ベスト32、対戦は以下の通り)。
土方隼斗vs
福本宇太郎
別府賢治vs大平和樹(アマ)
浦岡隆志vs
嶋野聖大
青木亮二vs鶴原学
栗林達vs
山川英樹
竹中寛vs
片岡久直
川端聡vsA・メンドーサ(フィリピン)
鈴木清司vs
立木利信
羅立文vs中村竜二(アマ)
酒井隼人(アマ)vs黒田佑介(アマ)
利川章雲vs
照屋勝司
高木悠次vs
梅木大輔
桐山裕嗣vs正崎洋行
赤狩山幸男vs
森野義博
田中雅明vs
東條紘典
西嶋大策vs横田武
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