日台プロビリヤードエキシビションマッチ2014
会場となった空港内の2F中央ロビーには、多くの人々が集まった
天皇誕生日の12月23日、富山きときと空港で『日台プロビリヤードエキシビションマッチ』が開催された。「何故、空港でビリヤード?」。この疑問を誰もが抱くのは当然のことだが、その答えは来年春開業の北陸新幹線にある。
エキシビションに出場した4名。左から栗林達、藤井寛美(共にJPBA)、呉芷婷、柯秉逸(共に台湾)
北陸地方の悲願成就も、同業他社にとっては悪夢になり得る。つまり、富山きときと空港の国内線直行便就航は羽田と札幌のみだから北陸新幹線開通の影響をモロに被ってしまい、利用客減少に繋がる可能性が高いのだ。実際、上越新幹線が東京~新潟を繋ぐお隣の新潟県では、新潟空港~羽田便は就航していない。ドル箱路線のピンチに、利用価値をアピールしたい空港側と、ビリヤードの普及活動の場を求める富山県ビリヤード協会の思惑が一致した結果がこのイベントに結びついた訳だ。
昨年から今年にかけて日本で大暴れした呉芷婷
富山きときと空港からは台北をはじめ海外6都市に直行便が飛んでいるから、日台のイベントを開催すれば国際線のアピールにも繋がるという、まさに「WIN WIN」なイベントの誕生だ。国内線と国際線を繋ぐ空港2階にある中央ロビーの一角にブランズウィックテーブルが一台設置され、足早に行き交う利用客も、思いがけぬ光景に足を止め、選手達の妙技に拍手を送っていた。また、せっかくの好ゲームを間近で観ようと、多くの北陸のビリヤードファンも会場を訪れていた。
呉と対戦したのは、今年の北陸オープン3位の藤井寛美
選手は日台から男女1名ずつ、
栗林達、
藤井寛美、
柯秉逸、
呉芷婷の計4名が参加した。柯秉逸と言えば、08&09年の北陸オープン覇者。その2つの決勝戦で連続して柯に屈したのが栗林達だったというのも感慨深い。今年のジャパンオープンと全日本選手権を制した呉芷婷は昨年の北陸覇者でもある。対する藤井寛美は今年の北陸で3位に食い込んだ実力者だ。
北陸オープンでも2年連続優勝を果たしている柯秉逸
先に行われた藤井 vs 呉の一戦は呉が2セット連取で勝利。こういう特設でのイベントは初体験だったという藤井は、さすがに緊張から普段通りのプレーはできなかったそうだ。栗林 vs 柯はナインボールの第1セットを栗林が取り、テンボールの第2セットを柯が取って最終セットに。バンキングに勝った柯がナインボールを選び、3ゲーム先取の第3セットがスタート。栗林もこの日8発目となるマスワリを出して踏ん張ったが、残念ながらリベンジならず。この日のイベントは台湾勢の連勝という結果に終わった。
柯と対戦した栗林達。27日、28日には同会場でビリヤードを魅せる!
このあと、12月27日、28日には栗林達による『トリックショットショー&体験会』も開催される。50席あまり用意された座席は全部埋まり、立見が出るほどの盛況だった今回のイベント。やはりオープンスペースでのビリヤードのアピールは効果的だ。第2弾、第3弾に期待したい。
On the Hill!