全日本選手権 Amateur Players Pick Up
女子アマチュアの活躍も光った選手権だった
11月の『第47回全日本選手権大会』は会場に世界の津々浦々のプレイヤー達が集結する大会だ。そこには世界チャンピオンからトッププロばかりではなく、果敢に切り込んでいこうという強豪アマ達もいる。多くのアマが序盤でプロ達の力の前に敗れていく中、今年は女子の部で2名の選手が最終日のベスト16に残った。
アマチュア界の女王、佐原弘子
1名は現女流球聖位で、当代最強女子アマである佐原弘子。予選で山内公子、中村こずえと2名のプロを破って無傷で勝ち上がるとベスト32のリ・キヨン(韓国)を相手にも勝利を収めた。技術的にはまさにプロ顔負けという感じで、大きな舞台での試合経験も豊富。アマチュア界での佐原の覇はまだまだ長くなりそうな予感をさせる選手権となった。
夕川景子や曽根恭子などを相手に金星を上げた小西さみあ
そしてもう1名は今年の5月に行われた『アマナイン』で初の全国タイトルを手にした小西さみあ。そのアマナインと同じ『あましんアルカイックホール・オクト』にて小西は今大会のベストアマを受賞した。予選で曽根恭子、中島美秀、決勝トーナメントでは谷山和子、夕川景子を破った。女子日本ランキング6位の曽根、同2位の夕川を相手にしつつの5位タイは快挙だと言えよう。
今大会のベストアマを受賞した
初の選手権の舞台、「海外選手もたくさんいるこの選手権は、世界ジュニアに出場した時(2008年、銀メダル獲得)の感じと良く似ていて、良い緊張感の中で撞けました」と大舞台にもひるむことなく、むしろそれをプラスにしているようだった。ジュニアの範疇などとうに抜け出した19歳は、最早トップアマとしての貫禄も備えていた。
観客の注目を多いに集めた平口結貴
そして、予選敗退となったものの観客の印象に強く焼き付いた女子選手がもう1名。北海道の女子高生プレイヤー、平口結貴だ。昨年の『世界ジュニア』銀メダル獲得、今年は女流球聖・A級戦に勝利し、アマナイン3位などアマチュア全国タイトル戦でも活躍を見せた選手。予選1回戦で高木まき子を破っていきなり会場を驚かせた。パク・ユンジ(韓国)に敗れて敗者側に回ると、決勝トーナメントへの道をかけた敗者最終の相手は光岡純子となった。
試合は光岡に先行されるものの猛烈な追い上げも見せた
しかし、まだまだ高校2年生のアマチュアプレイヤー。試合展開は序盤から一方的な展開となり、6-2と光岡がリーチをかける。やはり順当な結果になるかと思われたそのとき、光岡のゲームボールのシュートにミスが出た。ここから平口が反撃を開始する。光岡のミスも続いたこともあって、平口が一気に6-6と光岡を追い詰めるところまで至り、その時点で会場の視線は彼女達のテーブルに釘付けとなる。最後は互いに9番を撞く機会もあったが、ポケットしたのは光岡であった。この日の最高視聴率を集めたであろう2名の選手に会場中から大きな拍手が送られた。
最後は光岡も平口の健闘を讃えていた
初めての選手権挑戦は予選敗退となるものの、平口はビリヤードファンの期待以上の活躍を見せた。本人もこの3試合を通して様々な反省や今後に活かすべきことを発見できたようで、2015年は今年以上の成長したプレーを見せてくれることだろう。
この3名ばかりではなく、女子アマチュア界はまさに群雄割拠の様相で強豪プレイヤーが揃っている。プロ顔負けのアマチュア、そして未来のトッププロ達の活躍に2015年も注目していきたい。
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配信中カード
男子決勝・大井直幸 vs レイモンド・ファロン(フィリピン)/解説・内垣建一プロ
女子決勝・呉芷婷(台湾) vs 劉莎莎(中国)/解説・西尾祐プロ
女子準決勝・河原千尋 vs 劉莎莎(中国)
男子準決勝・大井直幸 vs 張玉龍(台湾)
CBNT2014年配信予定カード
12月20日(土) 女子決勝・野内麻聖美 vs 曽根恭子(※北陸オープン)
12月25日(木) 男子ベスト16・杉原匡 vs ヨハン・チュア(フィリピン)