第21回撞具屋 ZAC CUP/9ボールペアマッチ
競技志向というよりも、趣味としてビリヤードを楽しむことをメインコンセプトとして、これまで東京・大阪で誰もが楽しめるビリヤードイベントを展開してきた『全日本オールサークル』(ZAC)。去る11月30日(日)、21回目となる『撞具屋 ZAC CUP/9ボールペアマッチ』(以下、ZAC CUP)が、東京都新宿区『風林ビリヤード』を会場に開催された。大会は同日9時30分からスタートし、27サークルから48ペア96名のプレイヤーが参加。参加者の中には、トーナメントプロとして活躍中のJPBAの早瀬優治プロや、俳優の鮎川太陽氏の姿も見えた。
会場となった東京都新宿区の『風林ビリヤード』
ZAC CUPはペアマッチで優勝を争う「試合」をメインイベントとしているが、その他のサブイベントも大きな魅力となっている。今回も、ベストドレッサー賞、チャレンジマッチ、ジャンケン大会、スピードガンコンテスト、ジャンプショットコンテスト、ビリヤードグッズ販売ブース、革巻き・タップ交換ブース、革工芸実演ブース等の多くのサブイベントが来場者を楽しませていた。
ベスト・ドレッサー賞:z∀c公認/俺らガチやから(シカ吉、にゃにゃにゃにゃ〜にゃにゃ〜♪)
まず、ZAC CUP名物となりつつある参加者のコスプレだが、サンタ、トナカイ、猫、タキシード、マラソンランナー、重傷者、ナース、全身ピンク等、今回も実用性を無視した衣装の数々で登場。自ら背負ったハンデに苦労する姿に、周囲のプレイヤーからは笑いが漏れていた。
会場でひときわ異様な存在感を放つ黒い影
チャレンジマッチではJPBAの
渡辺剛史プロ、
宮田洋プロが来場し、多くのプレイヤーの挑戦を受けた。事前に大会趣旨を聞かされていたお祭り好きの宮田プロは、準備していたAKB48のコスチュームを身にまとって颯爽と登場。共に参加していた渡辺プロは、「ずるいよあんなの......俺自信なくなってきた......」と嘆きながらも、その1時間後には近場で調達してきたメイド服姿でチャレンジャーを出迎えていた。慣れない衣装に妨害されながらも高い精度での取り切りを続け観客を唸らせる渡辺プロと観客を巻き込んで終始笑い声に包まれていた宮田プロ。両名共プロの実力と魅力をいかんなく発揮し、参加者達を楽しませていた。
宮田プロ(左)と渡辺プロ(右)。チャレンジャーからの寄せ書きと共に
恒例のじゃんけん大会では、『CUE'S年間購読権』、非売品の『HIRANOタップ』、品薄の『NAVIGATORタップ』、職人手作り革工芸品、鮎川氏私物のウィンドブレーカー等、
レアアイテムを求めて参加者達が運を競い合っていた。
NAVIGATORタップ争奪じゃんけんの様子
さて大会は、リーグ戦の対戦において全勝を果たした『べくせる』の『あなたの知らない世界』チームが優勝。またメンバーの「大木さん(A)」は、個人戦の全10ラックを全勝し見事MVPに輝いた。
優勝チーム :べくせる/あなたの知らない世界(左・大木さん、右・今井さん)
MVPおよび優勝チーム記念撮影の際に目元を赤くしていた大木さんだが、それが感激ゆえなのか、一足先にあげていた祝杯のせいなのかは定かではなかった。ZAC CUPでは相手のプレー妨げの可能性があるタバコは喫煙スペースで許可しているが、プレー中の飲酒に関する制限はない。時には真剣に、だが勝ちに執着することだけがビリヤードの楽しみ方ではない。ビール片手に皆で笑い合いながらビリヤードを楽しむ大会があってもいいじゃないか。そんなZACの思いが、MVPの涙に表れているように感じられた。
優勝サークル:チーム成績3位、4位と安定して上位戦績を残した「Alvis海賊団」
写真・文/全日本オールサークル