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過去のニュース(2014年)

2014.12.07 トーナメント

事実上の「日韓レディーススリークッション対抗戦」。制したのは韓国の18歳

第6回レディース3Cグランプリ

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大会ベスト4。左から3位タイ・ソン・ウンジュ、優勝・イ・ミレ、準優勝・イ・シンニョン、3位タイ・界文子


12月6日(土)、東京・新大久保の『ビリヤード 小林』にて、『第6回レディース3Cグランプリ』が開催された。今年は昨年の3名を大きく上回る11名の韓国選手が参戦。迎え撃つ日本勢も昨年度覇者の西本優子を筆頭にトップ選手達が勢揃い。参加総勢27名中、日本16名・韓国11名と、事実上の「日韓レディース3C対抗戦」の様相を呈していた(※フォーマットは20点ゲームのシングルトーナメント)。

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会場となった東京・新大久保の『ビリヤード 小林』


一言で言えば、「日本勢、苦戦」。ベスト16からの登場となった肥田緒里恵東内那津未という歴代世界チャンピオンと、海外遠征経験豊富で近年の進境著しい林奈美子というJPBFプロ3名は、揃って初戦で韓国勢に討たれた。また、ベスト8に進んだ界文子、西本優子、肥田一美という3名の日本勢の内、西本と肥田一美がここで韓国勢に止められてしまった。

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世界選手権準優勝の西本優子も、今回は5位タイでフィニッシュ


苦闘する日本勢の中で一人気を吐いていたのが、第二子を妊娠して7ヶ月、お腹の大きさも目立っていた界文子。第4回大会の覇者でもある界は、初戦から3戦連続で韓国選手と対戦し、淀みないテンポと高い攻撃力を武器に彼女らを次々と粉砕、4強までコマを進めた。セミ・ファイナルでは韓国No.1で、先の『世界選手権』3位の李信詠(イ・シンニョン)と激突。先手を取ったのは界だったが、「体力が続かなかった」ために終盤で当たりが止まり、李に逆転負けを喫してしまった。

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界文子が日本勢最高位の3位タイ


「撞き込めていない割には、全体的にツキもあってまあまあ良く当たっていたと思います。お腹が大きくて構えづらい球では取り方を変えた時もありました(笑)。これが産休前の最後の試合になるので、また再来年辺りに復帰したいです。韓国選手の皆さんは非常に良く練習をしているなと感じました」(界)

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準優勝のイ・シンニョン


優勝決定戦を戦ったのは、界に勝った李と、ベスト8で西本を止めた韓国No.3の18歳、イ・ミレ。力量はほぼ互角と思われたが、厳格な指導の元で培われたのであろう一定のルーティンと大きなストロークでコツコツと当て続けたイ・ミレが、20キュー・20-15で先輩の李を撃破。表彰式で花束を手ににっこり微笑む姿は、まだあどけなさの残る高校生そのものだった。

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優勝は18歳のイ・ミレ


層の厚さやトップ選手達の力量ではまだ日本女子3C界に一日の長があるかもしれない。しかし、優勝したイ・ミレや14歳の金叡恩(キム・イエーウン)など、韓国女子ジュニア世代の充実ぶりは、10年20年後の世界レディース3Cの勢力図を大きく塗り替える可能性を秘めている。そんなことを感じさせる年の瀬の大一番だった。

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