第64回全日本アマチュアスリークッション選手権大会
大会連覇を果たした古屋敷亮一
11月8日~9日(土・日)、東京江戸川区の『ビリヤードヤマニ』において、『第64回全日本アマチュアスリークッション選手権大会』が行われた。出場したのは昨年度優勝者シードの古屋敷亮一(九州)と各地区の予選を通過した18名の計19名。
会場となった東京都江戸川区の『ビリヤードヤマニ』
本大会は大まかに言えば2日間で3つのステージを消化する(※全て25点ゲーム)。まず、19名が4組に分かれて戦う「セミ・ファイナルリーグ」。続いて各組上位2名(計8名)が2組に分かれてしのぎを削る「ファイナルリーグ」。最後に両組の1位同士、2位同士、3位同士が激突する「順位決定戦」。
優勝するには、第1段階で5名中上位2名に入り、第2段階で4名中1位になって優勝決定戦に進まなければならず、それはほとんど「無敗勝ち抜け」を意味する。つまり、本大会の大半はリーグ戦形式で行われるものの、一発勝負のトーナメントに等しい緊張感があるのが、この3Cアマ日本一決定戦の特徴である。
3位・本松良(関東)
さて今年、厳しいセミ・ファイナルリーグを終えて、ファイナルリーグに進んだ8名の内、優勝経験者はA組の古屋敷、本松良、B組の中島宏典の3名。この3名は戦前の予想通り、2段階のリーグ戦を通じて高いアベレージをキープして勝ち星を連ねていた。
そして、ファイナルリーグA組では古屋敷が、三戸雅之(関東)、望月俊夫(関東)に勝った後、最終節で本松との直接対決を制して1位通過を決めた。ここまでさすがの上手さで負けなし街道を走ってきた実力者、本松は、たった一つの黒星で優勝争いから脱落することとなった。
準優勝・中島宏典(関東)
また、B組の中島は、初戦の重田宏之(九州)戦では重田に11点ランを出されたこともあって引き分けに持ち込むのが精一杯だったが、続く坂廼辺和憲(静岡)戦、加藤一寛(北海道)戦ではしっかり勝ち切って、アベレージも堂々の1.271で1位通過を果たした。
こうして、優勝決定戦は古屋敷vs中島の対決に。この試合は、まず古屋敷が順調なスタートを切ったが、中盤で中島が9点ランで15-11(8キュー)と逆転に成功する。しかし、そこから中島の当たりが止まってしまい、その間に再逆転に成功した古屋敷が、最後は上がり7点ランを繰り出して好勝負に終止符を打った(16キュー。25-16)。古屋敷は自身初、九州のプレイヤーとしては第7回~第8回大会の正崎郷三以来2人目となる大会連覇を達成した。
古屋敷は決勝でもその勝負強さを遺憾なく発揮して逆転勝利
「内容も状態も良くはなかったですが、それでもなんとか優勝に繋がるプレーができたことが嬉しいです。連覇は意識していなかったです」(古屋敷)
大会上位入賞者。左から4位・加藤、準優勝・中島、優勝・古屋敷、3位・本松、5位・坂廼辺
昨年度大会は、古屋敷のホームグラウンド(小倉『淡路』)で行われた。そこでの優勝が決してまぐれではなかったことを、1年後のこの日、郷里を遠く離れた東京の地で自らのプレーで証明した古屋敷。まだ36歳と、キャロム界では十分に「若手」と言える年齢でもあり、この先もまだまだ伸びるだろう。この勝負強さは本物だ。
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