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過去のニュース(2014年)

2014.10.26 トーナメント

4つのストーリーが完結!

第13回全国アマチュアビリヤード都道府県選手権大会

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4部門の優勝者。左からB級・桑田遼(大阪)、女子級・醍醐恭子(千葉)、A級の部・島田隆嗣(愛知)、スリークッションの部・山下真一(大阪)

昨日から和歌山市の『和歌山県立体育館』で行われていた『第13回全国アマチュアビリヤード都道府県選手権大会』。スムーズな進行でポケットの3クラス(A、B、女子)とキャロム(スリークッション)それぞれの新チャンピオンが誕生して、夕方の5時には入賞者が整列をして閉会式が行われた。

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会場の和歌山県立体育館では2日間に渡る熱い戦いが繰り広げられた

A級の部では、昨年度優勝の持永隼史がベスト8の回転で敗れ、準決勝の段階で誰が優勝しても初都道府県選手権者となることが確定。ファイナルは共に本大会で準優勝経験がある島田隆嗣(愛知)と大橋義治(滋賀)という注目のカードに。フルゲームに及んだ激闘を制したのは島田で、自身3度目の全国大会決勝戦進出で3度目の正直を果たした。

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A級の部ベスト4

B級の戦いを制したのは大阪の22歳。小学校5年の時から本格的にビリヤードを始めた桑田遼(大阪)は、ジュニア時代から頭角を現していた逸材で、今大会でも抜群の安定感を披露した。ファイナルでは岡山の巧者・磯崎功典を相手にワンサイドゲームで勝利を収め、結果、決勝シングル5試合の失点計4(得点は20)という驚異的なスコアで念願の全国タイトルを獲得した。既に予選通過を果たしている(通称)全日本アマローテ(2週間後に開催)が桑田にとって事実上のB級卒業式となる。

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B級の部ベスト4

今年も特設慣れした有名人が集ったのが女子級。その初日に「体力的な事情もあり、この大会を最後に全国大会への出場は辞めます」と言っていたのが千葉の醍醐恭子。現在、66歳の彼女が「子や孫の世代と」の試合を勝ち抜き、決勝戦では一昨年にアマローテで日本一に輝いた水野早苗(大阪)と対峙。気力、体力ともに充実した様子の醍醐が、最後まで自分のプレーを貫いて女子級史上最高齢での優勝を飾った。終了後に醍醐は「優勝者はシードをいただけるというので、来年は岩手に温泉に入りがてら行きたいと思います(笑)」と、もう1試合だけ全国大会に出場する意欲を示した。

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女子級の部ベスト4

スリークッションの部はリーグ戦を経て8人のシングルトーナメントに。この時点で「誰もが実力者で優勝候補」(大会関係者)というメンバーが揃い、準決勝で昨年優勝の北浦昭博を破ってファイナル進出を果たした山下真一(大阪)が、勢いある田代亮太(愛知)との決勝戦に臨むことに。この場面では経験値の差がスコアに出る形となり、昨年の全日本アマ3C選手権で準優勝の成績を収めている山下が、キャロム歴7年目という田代を下して嬉しい初全国制覇を遂げた。

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スリークッションの部ベスト4

終了後に「緊張がほどけてきました」という山下の言葉に、コンディションへの対応に費やした集中力の程が窺えた。今回の経験も糧としてますます活躍することが予想される。ちなみに田代は元々はポケットのブレイヤーとしても活躍しており、2009年には『全日本学校対抗ナインボール選手権』で優勝の経験も。

こうして、各クラスにそれぞれの新王者を輩出して、和歌山の国体記念大会は幕を下ろした。素晴らしい選手たちの活躍を讃えるとともに、舞台裏で大会開催に多大な尽力をされた和歌山県ビリヤード協会関係者の方々、大会運営を強力にサポートされたスタッフの皆さまに、深い敬意を表して今回のレポートの締めとさせていただきたい。

Akira TAKATA