東日本グランプリ第7戦
会場は東京・六本木の『バグース六本木店』
10月26日(日)、周囲はハロウィンのムードに沸く東京・六本木の『バグース六本木店』を舞台に、14年シーズンの『東日本グランプリ最終戦』(第7戦)が開催された。結果から言うと、同グランプリ最多勝利数を誇る土方隼斗が栗林達を下して(8-5)その記録を更新する11回目の優勝を果たして幕を下ろすことになった。
意外にも今季GP優勝がなかった土方が最後に勝利
この大会の結果によらず年間MVPの行方は栗林に決定していたが、2位以下は混戦模様となった状態での開催。条件はそれぞれ異なるが、2位になれる可能性は6位タイまでの選手6名に残されていた(2位・赤狩山幸男、3位・土方、4位・羅立文、5位・塙圭介、6位タイ・照屋勝司[予選敗退]、高野智央)。
まず、第6戦終了時にランキング2位だった赤狩山が、ベスト16で塙に負けた(2-8)ことがこの激動の1日の始まりとなるポイントだっただろう。これで、ベスト16を勝利した塙はもちろん土方、羅に逆転の可能性が出てきた(高野はベスト16で有田秀彰に7-8で敗れた)。
東北勢としては久しぶりのベスト4進出を果たした大井
だが、2位争いを大きく左右するベスト8では、栗林が塙を、東北代表の大井仁が羅を破って(順に5-8、7-8)その逆転のシナリオに終止符を打つ。
大井は'06年以来の決勝日だったが、この日、健闘が光った選手の一人。東北勢としてはベスト4進出は久しぶりの成績だ。というのも'10年の東日本グランプリ第1戦の林研字の3位タイ以降、多くの選手達がベスト16またはベスト8で敗退の憂き目に遭っているから。準決勝で栗林に惜しくも負けはしたが、東北勢の今後に大きな力を与える結果だろう。
3位タイで年間ランキングが7位となった有田秀彰
準決勝のもう1カードは土方vs有田。土方にとっては、ここを勝利すれば赤狩山を抜いて2位の権利を得られるという状況(正確にはポイントはタイに並ぶが、その場合は最新月のJPBA統一ランキングで順位が決定される)に立っていた。有田にしてみれば、初優勝そして準決勝の壁を突き破ることができるかどうかという一戦。ここを土方が有田の追撃を8-6で振り切ってファイナルへ。
決勝は屈指の実力を持つ両名の対決。栗林が3連取などもあり序盤で先行したものの、土方が途中から盛り返して逆転。そのまま栗林の猛追をかわし続け、最後のゲームボールを沈めると、両手でキューを天に掲げた。
土方、勝利の瞬間
栗林が勝利していれば、シーズン4勝という新記録が打ち立てられるところだったが、3勝のタイ記録を持つ土方がそれを阻止したという格好となる。本人によれば「それは全く意識してなかった」とのことだが、結果的に自らが遮るあたりは流石の一言。全日本選手権でも大暴れしてほしい。
決勝は惜しくも敗れたが、14年シリーズは確実に栗林のものだった
そして、MVPが既に確定した状態、他の選手達と比べると「懸かるもの」が大きくはなかった中で、しっかりと結果を残した栗林の準優勝は、プロの真価を証明するのに十分なものだった。
14年の年間ランキングTOP10
1位 1180pt 栗林達
2位 940pt 土方隼斗
3位 880pt 赤狩山幸男
4位 820pt 羅立文
5位 740pt 塙圭介
6位 700pt 高野智央
7位 680pt 有田秀彰
8位 680pt 照屋勝司
9位 660pt 鈴木清司
10位 640pt 浦岡隆志