第13回JPBAシニアオープン
左から3位タイ・後藤賢治、優勝・立木利信、準優勝・平田正司
去る10月19日の日曜日。秋晴れの京都(『サンク』)で『第13回シニアオープン』が開催された。出場資格は50歳以上というこの大会は、関西を中心に往年の名手が集うことでも知られ、プロアマの枠を超えた『ポケットビリヤード界の同窓会』的な雰囲気に包まれている。また今年は女子プロの出場を誘致(年齢制限なし)して3名(高木まき子、土屋純子、夕川景子)のエントリーを迎え、例年より華やかなムードとなった。
近年、台湾などの影響を受けて国内のプレイヤーも基本フォームが均一化されてきた。それとは対照的に、業界の黎明期を牽引してきた先輩方は、個性派揃いで、キュー捌きの点で多岐に渡るバリエーションを備えておられ、観る側を存分に楽しませてくれる。また、一たび形が出来上がると楽々と取り切る上手さとテンポの良さも見どころの1つだ。
準優勝・平田正司アマ
さらにウォッチャー目線の話を続けさせてもらうと、出場者が皆「カッコいい」という点も特筆しておきたい。長年、勝負の世界に身を置いてきたことで纏ったオーラなのか、はたまた「好きなこと」を続けてきた男が輝くのか、いずれにしてもキューを握る初老(というには若い人も多いが)の男性はとても魅力的だ。当日の画像はfacebookにアップしているので、ぜひ素敵な被写体の数々をご覧いただきたい。
優勝・立木利信
さて、テンボールの6ゲーム先取で行われた試合はベスト16からシングルイリミネーションに入り、女子プロ最後の砦となった高木はベスト8でヒルヒルの激闘の末に平田正司アマに敗れて終了。その平田は準決勝では北陸の大御所・道川浩アマにも快勝して、4年ぶりとなる本大会の決勝戦へ進む。すると一方の山からは立木利信が登場。余談になるが、終了後に結果を見た複数人から「立木さんってシニア?」という声が入ってきたが、確かにそう思うのも無理はない若々しいビジュアル。
有名大ベテラン選手の顔も見られる参加者達の面々
決勝戦は2-2のスコアで迎えた中盤から立木が4連取を決めて、「ホントに嬉しい」と満面の笑みで戴冠の喜びを露わにした。立木のオープン戦優勝は島根県で開催されたトーナメント以来。開催年は定かでないが、短くとも十数年ぶりとなる。こうして和やかなムードの中で幕を下ろしたシニアオープン。今はまだ「自分には関係のない試合」だと思っている層の人が出場する頃には、どんな大会になっているのだろう。
Akira TAKATA