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過去のニュース(2014年)

2014.10.20 トーナメント

他を圧倒するプレー。サンチェス、2度目の優勝

第25回スリークッションジャパンカップ

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ダニエル・サンチェス、2度目の優勝!

秋晴れに恵まれた18日~19日(土・日)、東京・新大久保の『ビリヤード小林』にて、『第25回スリークッションジャパンカップ』が開催された。外国人選手が参戦できる国内スリークッション公式戦の中で、最上位に位置する本大会。25回目となる今年は、戦前の予想通りこの人が「主役」を演じた。世界選手権3勝、欧州選手権3勝、ワールドカップ13勝のダニエル・サンチェスである。

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日本人最高位は今年の全日本選手権者、新井達雄

まず、注目の日本勢だが、8強に進んだのは、期待のルーキープロ、森雄介を始めとして、島田暁夫竹島欧新井達雄の4名。この4名それぞれが、ベスト8で外国人選手と対戦したが、4強に駒を進めたのは、韓国の林泰洙(リム・テスー)に勝った新井のみとなった。その新井もセミ・ファイナルで韓国のベテランプレイヤー、金龍鐵(キム・ヨンチュル)に敗れて3位タイで終了。「ワンチャンス、いやツーチャンスはあったのに決勝まで行けなくて情けない。それだけです」(新井)。2006年の甲斐譲ニ以来、日本勢の優勝がない本大会。ジャパンカップ奪回は来年以降の課題となってしまった。

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ハイアベレージを記録しながら勝ち進んでいったサンチェス

サンチェスはトーナメント表の一番下、ベスト48からのスタート。短い30点ゲームのシングルトーナメント一発勝負というスリリングなフォーマットで、上田淳(アマ)、佐々木浩、宮下崇生、島田暁夫と連破して4強へ。ここまで要したイニング数は、16、17、17、17と高いレベルで安定している。この「波の少なさ」もワールドトップの資質だろう。彼の試合は常にギャラリーのお目当てであり続けた。ベスト16戦で17キュー・28-30と、サンチェスに肉薄した宮下は、「『もしかして、行ける?』と思った瞬間もあったけれど......」と試合後にため息を漏らした。

サンチェスの4強の相手は、韓国の息の長いトップランカーで、これが数度目の来日となる金哉瑾(キム・ジェグン)。キム・ジェグンはベスト16で、韓国の後輩であり、昨年度優勝者シードの金京律(キム・キョンルー)と対戦。キム・ジェグンはそこでなんと、6キューで30点、ハイラン19点というベストゲームを披露した。敗れたキム・キョンルーは、韓国からやって来てわずか1ゲーム・6キューだけで大会終了となってしまった訳だが、これには苦笑するしかなかった。

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ベテラン、キム・ヨンチュルが準優勝

さて、そのキム・ジェグンとのセミ・ファイナルを12キュー・30-19で勝ち抜けたサンチェスは、新井に勝ったキム・ヨンチュルとファイナルで対戦。珍しくこの試合では7キュー終了時で2-11というスロースタートだったが、終わってみれば15キュー・30-20と、鋭い末脚を披露して貫禄の差し切り勝利。2011年以来2度目のジャパンカップを手にした。

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今大会ベスト8選手達

6試合してアベレージは1.91。それでも、「数字は悪くないけれど、そこまで納得のいく内容ではなかった」と穏やかな笑みを浮かべて語ったサンチェス。11月末、韓国の地では彼が「全力で挑む側」となる『スリークッション世界選手権』が行われる。自身4度目の世界獲りに向けて、「スペインの至宝」はさらにコンディションを上げて行く。

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