第28回北陸オープン
石川県白山市の『グランドホテル白山』外観
来春、いよいよ北陸新幹線が開業する北陸地方。大会パンフレットの表紙に踊る惹句、『秋の金沢へ』が、新幹線開業でより身近になる日が近付いている。秋の金沢と言えば、もちろんポケットビリヤード界ではこの名物トーナメントをおいて他にない。
第28回を数える『北陸オープン(男女)』が11日(土)に開幕した(男子テンボール・女子ナインボール)。今年はプロ・アマ合わせて、男子202名・女子50名が参加。女子の部の予選ラウンドは石川県白山市の『グランドホテル白山』特設会場で、男子の部の予選ラウンドは石川県下7つのビリヤード場で行われた(※12日の決勝ラウンドは男女とも『グランドホテル白山』特設会場だけで行われる)。
女子前回大会優勝の呉芷婷(台湾)
11日の朝に石川県入りした筆者はまずグランドホテル白山へ。昨年度の女子の部の覇者、呉芷婷(台湾)の初戦を観ることができた。心なしか顔つきが大人びてきた呉は、朝からまずまずの状態であることが窺えた。昨年度の本大会だけでなく、今年の『ジャパンオープン』でも優勝している呉。18歳と若いがその実力は折り紙付き。今年の北陸女子戦線は「誰が呉を止めるのか」という視点で見ても良いだろう。
男子予選会場『VIVA 2』
続いて向かったのは、男子予選会場の一つである『VIVA 2』(野々市市)。ここには昨年の男子の部優勝の北谷好宏がいる。折り悪く筆者が滞在していた間には彼の試合はなかったが、「相手ではなくビリヤードに向き合えるかどうか。それが勝敗を分ける」――そう言って穏やかな笑顔を見せた北谷。大会2連覇に向けてコンディションは上々のようだ。
小学校6年生・符波風人選手
このVIVA2会場は多士済々。現在59歳、約22年ぶりに日本の公式戦に参戦した、旧名「小杉純一」こと、モハマッド・ジュナルト(現インドネシア国籍)が、往時を彷彿とさせるスピーディーなランアウトを重ねていく。かと思えば、現在小学校6年生、2年前から競技ビリヤードに打ち込むようになった符波風人選手がプロを相手に臆することなく溌溂とキューを振る。本大会最年少の符波選手にはぜひ日本を代表するサウスポーになってもらいたい。
男子予選会場の『エディ』
続いて向かったのは同じく男子予選会場の『エディ』(野々市市)。全台ゴールド(ベージュ)のラシャで統一された同店に、人気の快速プレイヤー、大井直幸が登場。至近距離で観るハイテンポランアウトショーはやはり国内随一のもの。また、その奥のテーブルでは小倉のパワーブレイカー、北谷英貴がなんとブレイクで6個インを披露! 残り4個を見事にランアウト............できたかどうかはご想像にお任せしたい。
ラシャは全台がゴールド(プレイヤーは大井直幸)
筆者が観ることができたのは3会場だけだが、全ての会場で熾烈な「特設会場行きチケット争奪戦」が繰り広げられたであろうことは想像に難くない。12日の決勝ラウンドの舞台でキューを握ることが許されるのは男子16名・女子8名の選ばれた選手のみ。価値ある北陸タイトルを掴むのは一体――!?
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