2014 World Cup of Pool
『World Cup of Pool』大会5日目。今日はベスト8戦の4試合がおこなわれる。ここからは9先。優勝トロフィーの姿形ははっきりと見えてきた。
第1試合はオーストリア vs 中国。昨日の試合を観る限りでは、第3シードの中国が圧倒的に有利かと思われたが、一晩経てばコンディションは一変する。優勝を意識してか、この日の中国チームは動きがぎこちない。逆にオーストリアのアルビン・オーシャン&マリオ・ヒーはこれまで3試合で最も素晴らしいプレーを続け、5-1とリードを奪う。その後も主導権を握り続けたオーストリアは8-2から上がり損ねたものの、次のラックで厳しいセーフティからフリーボールを得て取り切り。ベスト4一番乗りを決めた。オーストリアのベスト4進出は大会史上初。
オーストリアは好調中国ペアを撃破
続く第2試合は'12年と'13年の優勝チームの激突。両チームのリーダー、
ミカ・イモネンと
デニス・オルコロからは勝利への熱い闘志が伝わってくる。フィリピンが僅差でリードしながら試合は進み、7-5となった第13ラック、オルコロのイリーガルブレイクから試合の流れはフィンランドへ。7-7で一度はフィリピンにターンが回ったもの、隠れた1番でオルコロがジャンプファウル。取り切り&マスワリでフィンランドが難敵を撃破だ。過去のWorld Cup of Poolで連覇したチームは皆無。今年もその記録は破られなかったわけだ。
フィンランドは昨年優勝のフィリピンを破って2年振りの優勝を狙う
夜の部に登場する4チームの共通点はモスコーニカップ。8名全員がモスコーニカップ経験者なのだ。そして、既に中国とフィリピンが敗れたことから、明日の決勝日はオール欧米になることが確定している。アジア勢がベスト4に一チームも残らなかったのは史上初のこと。更にアメリカが負ければ、今年のWorld Cup of Poolは"欧州カップ"になってしまうわけだ。
オランダはドイツとの激戦を制して2年連続のベスト4入り
トースティン・ホーマン、
ラルフ・スーケー、
ニールス・フェイエン、
ニック・ヴァンデンバーグ。手の内を知り尽くした4人の戦いはドイツリードで進む。ターニングポイントは7-5の第13ラック。取り切りの8番をホーマンがとばしてしまう。多少ロングだったとはいえ、フリを気にする配置でもなかっただけに、果たして名手に何が起きたのか。オランダ7-6とし、次のラックのセーフティ戦にも勝って7-7。ここから気合いの連マスで2年連続のベスト4進出だ。
地元イングランドAは難敵アメリカを競り落として初優勝に向かう
英米決戦はホームの声援を受けたイングランドAが7-2とリード。
シェーン・バン・ボーニング&
アール・ストリックランドの動きがぎこちないだけに、あっさり決まってしまうかとも思われたが、ボーニングの巧みな2-9キャノンなども出て7-7のタイに。しかし続くボーニングのブレイクがノーイン。結果から見れば、ブレイクの差が勝敗を分けた。イングランド、取り切り&マスワリで最終日行きの切符を掴むことに成功だ。
フィンランド以外が勝てばどこも初優勝。欧州決戦となった今年のWorld Cup of Pool、果たしてどこに勝利の女神は微笑むのか(トーナメント表は
こちら)。
On the hill!