WEB CUE'Sトップ > 過去のニュース(2014年) > 地元イングランドが初優勝!

過去のニュース(2014年)

2014.09.29 トーナメント

地元イングランドが初優勝!

2014 World Cup of Pool

wcop29_tro1.jpg

ダレン・アプルトン(右)&カール・ボーイズ。イングランドAが初戴冠!

『World Cup of Pool』大会最終日。6日間に渡った大会も今日でフィナーレを迎える。既報の通り、史上初の欧州トップ4独占となった今大会。過去8回を振り返ってみると、実は欧州勢の優勝は11年ドイツ、12年フィンランドのわずか2回だけだという事実に少々驚かされる。ちなみに『男子ナインボール世界選手権』では12年以降、3年連続で欧州勢がチャンピオンになっている。

準決勝第1試合はフィンランド vs イングランドA。昨日優勝候補筆頭のフィリピンを倒しただけに、フィンランドとしてはここで負けたくはないだろう。地元代表であるイングランドAもやはり負けられない。共に、それぞれミカ・イモネンダレン・アプルトンをリーダーに置く似たようなチーム。序盤から激しい攻防が繰り広げられた。だが、中盤でリードを拡げたイングランドAが8-5でリーチ。フィンランドも1点返したが、それまで。イングランドAが08年以来2度目の決勝進出を果たした。当時はダリル・ピーチマーク・グレイというコンビだったから、アプルトン&カール・ボーイズにとっては初めての決勝ということになる。

wcop29_final.jpg

ファイナルはイングランドA vs オランダ

第2試合はオランダの独壇場となってしまった。オーストリアは第2ゲームに1点取ったのみで、あとはニールス・フェイエンニック・ヴァンデンバーグがテーブルを支配。前日素晴らしいプレーで中国を圧倒したオーストリアであったが、今日はまるで前日の中国が乗り移ってしまったかのように勢いを欠いた。コンビのコンディションもムードも、一夜にして一変する。そして、最終日のプレッシャーは想像を絶するものがあっただろう。オランダ、2年連続の決勝進出。全9回中、計7回をフェイエン&ヴァンデンバーグで戦っているだけに、オランダはチームの成熟度で言えば文句なしに最高のチームだ。

決勝戦は序盤でアプルトンに2度のサイドスクラッチがあり、オランダが中盤で6-3とリードを拡げる展開。突き放したいオランダ。だが、粘り強さを持ち味とするイングランドは7-5から7-6と追い上げ、ボーイズのサイドエースで7-7! しかし、続くアプルトンのブレイクがノーイン。オランダ、このゲームを取り、次が取り出し2-9コンビ配置。フェイエンが決め手リーチ。流れはオランダかと思われたが、ヴァンデンバーグのブレイクがノーイン。ここかからイングランドが取り切り&マスワリで遂にヒルヒルに。

wcop29_app.jpg

欧州対決は互いに譲らずヒルヒルの激戦に

最終ゲーム、アプルトンがなんとブレイクスクラッチ。ボールは散らばっている。唯一、9番がレール際のサイドポケット近くにあるのが気になるくらい。取り切りにかかるオランダ。しかし、ヴァンデンバーグの8番への出しが土手撞きになってしまう。9番へ出しに行くか、我慢するか。フェイエン、出しに行ってミス。沸き返る観客席。だが、この8番をボーイズが決められない。オランダに最後のチャンス到来......が、手球と8番の間に9番が入ってしまう。ジャンプには行けない。時間さえあればゆっくり考えたいところなのだが、既にエクステンションも使用済み。ヴァンデンバーグ、意を決して空コで攻めるがイージーに残ってしまう。万事休す。イングランド、劇的な結末で初優勝!

wcop29_tro2.jpg

第9回大会は地元イングランドにとって最高のエンディングとなった

World Cup of Poolは第9回目にして初めて、主催者のマッチルームスポーツの母国、イングランドにトロフィーを保持する形となった。ナインボールのペアマッチは実にエキサイティング。果たして来年はどんなドラマが生まれるのだろうか(トーナメント表はこちら)。

On the hill!