第6回レディース3Cオープン
昨年に続き大会連覇を果たした西本優子
すっかり秋めいてきた敬老の日(9月16日〈月・祝〉)。東京・五反田の『アカデミーZ』で『第6回レディース3Cオープン』が開催された。
参戦したのはプロ・アマ合わせた計14名。まず、昨年度優勝者シードの西本優子とスポンサーシードの肥田緒里恵を除く12名が午前中にアカデミーZに参集。4名×3組に別れてのリーグ戦(7点先取×2セット先取。決勝ラウンドも同じ)で決勝ラウンド進出をかけて競い合った。
会場となった東京・五反田の『アカデミーZ』
各組の上位2名が出揃ったのは午後4時頃。1組から吉村香南枝アマ・
東内那津未。2組から
林奈美子・町田千保子アマ。3組から
界文子・
肥田一美......という面々だ。以上の6名に西本と肥田(緒)を加えた8名でシングルトーナメントが始まった。現在産休に入っている
福本綾香以外のJPBF女子プロが全員決勝ラウンドを戦ったということになる。余談だが、アカデミーZにはオールデジタルのスコアボード(いわゆる「黒板」の代わり。通常営業時にも使われている)が3台のテーブルに完備。非常にスコアと状況が見やすく、試合のステータスがグッと高まったように感じられたことも付け加えておきたい。
会場に常備されたデジタルスコアボードが試合の盛り上がりに一役買った
このベスト8で吉村・町田という2名のアマが奮闘を見せるも惜敗。東内と肥田(一)という2名のプロもそれぞれ界、肥田(緒)とのプロ対決に敗れて脱落した(※肥田母娘対決だった)。四強の組み合わせは西本vs林、界vs肥田となり、それぞれ実績に勝る西本と肥田が2セット連取のストレート勝ちでファイナルへ進出した。
準優勝の肥田緒里恵
西本vs肥田というファイナルは日本女子3C界のゴールデンカードと言えるだろう。「世界選手権3連覇」の記録を持つ肥田が第1セットを2キューで上がれば(7-0)、今年の全日本選手権者である西本も負けじと4キューで第2セットを奪取(7-1)。いつしか会場内の談笑の声も消え、2人のハイレベルな技の応酬に会場の全員の視線が注がれていた。注目の最終第3セットは接戦になったが、最後は西本が4キューでしっかりと上がり切った(7-3)。西本は本大会通算3勝目。昨年からの連覇を達成した。
西本にとっては、世界選手権に向けて弾みのつく勝利となった
「来月後半にトルコで『レディース3C世界選手権』があるので、その前に国内で優勝できたことは良かったですね。今日は全体的に硬かったかなと思いますが、ツキもあって勝てました。トルコまでにきっちり調整していきます」(西本)
大会ベスト4。左から3位タイ・林、優勝・西本、準優勝・肥田(緒)、3位タイ・界
そのトルコの『レディース3C世界選手権』だが、日本からは前回(2012年東京大会)優勝の現世界女王・東内那津未と西本優子の参戦が決定している。レディース3C世界選手権3連覇(2004年、2006年、2008年。※隔年開催)の実績を誇る「世界のオリエ」こと肥田緒里恵は、国内の権利順的には東内・西本に続く「次点」となっており、トルコ大会のエントリー状況などが確定した後(※9月後半の予定)、他大陸・地域の枠に欠員が出れば参戦できるという状況のようだ。世界トップの技量と経験を有する肥田にはぜひ「本番」に参戦してもらいたいところだが......さてどうなるか。続報をお待ち頂きたい。
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