第12回兵庫オープン閉幕
『兵庫オープン』、優勝は栗林達!
昨日から開催されていた『第12回兵庫オープン』は、決勝日の今日、ベスト32の回転からスタートし、ビリヤード普及を目的としたイベントを併催しながらスムーズに進行し、栗林達が抜群の安定感で頂上まで登り詰める結果となり、まだ外は明るい時間、『ちびまる子ちゃん』が始まる前に決着することとなった。
決勝トーナメントの舞台は『ニッケパークタウン特設会場』
ナインボールの8ゲーム先取、交代ブレイクというフォーマットは激しい競り合いを演出。しかし栗林は初戦の浜田翔介戦(8-3)を皮切りに、赤狩山幸男、照屋勝司、東條紘典という強豪を相手に、4試合で失点合計10という驚異的な数字を叩き出して決勝戦へ進む。
一方、反対の山からは杉原匡が、高野智央、大井直幸、北谷好宏、そして福本宇太郎と難敵を接戦の末に倒して栗林との決戦に臨んだ。今年、東日本グランプリで3連勝を果たしている栗林に対して、杉原も今季公式戦3度目の決勝戦という上昇気配。だが、プロ入り後の公式戦優勝数で二桁の実績を持つ"超人"の経験値の高さがゲームに現れる格好となり、8-3のスコアで栗林が3年ぶり2度目となる兵庫オープン制覇を果たした。
準優勝・杉原匡
なお本大会の目玉でもある子供体験コーナーでは2日間で延べ200人を超える幼児〜児童がキューを握り、数千人の買い物客がビリヤードを眺めた計算となる。現在の特設会場を使用してはや5年。会場では年を追うごとに『恒例行事』のムードが強くなり、すでに複数回参加しているという子供も少なくない。トリックショットショーで活躍する栗林の名を覚えている子供もいたりするなど、貢献度に応じたホーム感も漂うに至っている。栗林が表彰式で「加古川サイコー!」と叫んだのも関わり続けてきたからこそのアドリブだろう。
大勢のギャラリーの前でビリヤードをアピールする場ともなった
同様に本大会のトリックショットでは皆勤の川端聡も、年々トークと技に磨きをかけて、今年は馴染みとなったギャラリーからツッコミが入る場面も。この例に限らず、明らかにギャラリーにも慣れが感じられるところ。また「毎年子供があまりに夢中になるので」と、自宅にテーブル設置を検討しているという嬉しい声まで届いてきた。
兵庫オープンが目指してきたのは消化する試合でなく進化する試合。12回目でプロの公式戦となり、豪華なキャスティングでビリヤードをアピールする大会として完成形に近づいたと感じる。さらに昨年から大会のメインスポンサードを務めるキューメーカーの『ユニバーサル』の潘社長も来日来場し、表彰式では笑顔でプレゼンターを務められた。
大勢の人々の尽力により今年も大成功のうちに閉幕となった
このように1年ずつ着実に年輪を重ねて、兵庫ローテーションクラブを筆頭としたアマチュア連盟員の想いや、志を同じくするプロプレイヤーたちの願いが、結晶となり目に見える成果を出してきたと感じる。『継続は力なり』。そう強く印象づけられた今年の兵庫オープン。あらためて出場した193人の全選手と、この大会を影になり日向になり継続を支え発展に尽力してきた全ての関係者に敬意を込めて。
Akira TAKATA