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過去のニュース(2014年)

2014.08.18 トーナメント

今年の挑戦者は喜島安広前球聖!

第54期名人戦A級戦結果より

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全国の名手達が京都に集まった

ポケットビリヤードといえばローテーションだった1961年に、「一番強い選手を決めよう」という主旨で創設されたのが『名人戦』。まだプロ組織もない時代、強者が勝つ長いフォーマットを意識し、以後、少しずつフォーマットを変えながら、最強アマチュア決定戦として54年という歴史を刻んできた。そしてナインボールが主流となり、「最強ナインボーラーを決めよう」と『球聖戦』が旗揚げしたのが1992年だった。

昨日に京都市の『ピカソ』で開催された『第54期名人戦A級戦』は、全国から集結した16名の猛者たちが激闘を繰り広げ、関東予選を勝ち抜いて参戦した喜島安広(埼玉・SPA)が見事頂点に立ち挑戦権を獲得した。

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前球聖位・喜島が見事に挑戦権を得た

前日は激しい雨に見舞われた京都だったが、この日の天気は晴れ。ローテーションの240点先取で、16名による完全ダブルイリミネーションというA級戦恒例のフォーマットで行われた。まず朝から3連勝を挙げて勝者最終戦へ進んだのは山口県の椿眞貴人と愛知県の島田隆嗣で、この戦いはこの日最も競ったゲームを紙一重で椿が制した(240-239)。

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ファイナルは2戦続く、熾烈な争いとなった

一方、熾烈極まりない敗者ゾーンで島田と戦う権利を懸けてぶつかったのは喜島と寄井田幸美(千葉)で、この勝負は後半で力強くアクセルを踏んだ印象の喜島が勝利を収めた。(240-100)そして喜島は島田との一戦でもワンラック目を120-0で折り返すと、続く2ラック目も後半を抑えて213-27とリードを広げた。後のない島田が反撃に出て粘りを見せるも、ラックをまたいで132点としたところで勝負をかけたジャンプショットを逸らして万事休す。これで喜島は2回戦で徳島の大野著仁に敗れて以降、破竹の5連勝で決勝戦へと駒を進めた。

決勝ではトップギアに入った様子の喜島が持ち前の攻撃力を爆発させて、最終ラックを待たずにプレーオフへと持ち込んだ。(240-68) そしてプレーオフでは展開も味方につけた格好で、喜島がワンサイドゲームを披露して240-14と圧倒し、今年の名人位挑戦権を獲得した。

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来月、喜島が名人・和田に挑む!

今春に5期目となる球聖位の座を、ラストワンラック勝負にもつれ込む激闘の末、広島の大坪和史に奪われた喜島。最強ナインボーラーは名人位の座に就くことは出来るのか? 4期目の座を死守すべく迎えるのは和田敏幸現名人。決戦は9月7日(日)。和田が店長を務める『プログレス』(愛知県西尾市)で第54期名人位が決定する。

なお、過去に名人と球聖の両方を獲った選手は史上3人。高橋邦彦、栗林達(ともに現JPBA)、そして現球聖の大坪と、この偉業がいかに別格のものであるかは歴史が示している。これに挑む喜島は、現存するアマチュア全国大会6大会中、3つを既に手中に収めている。今年も名人戦で「一番強いのは誰なのか?」を決めるまで、アマチュアの夏は終わらない。

Akira TAKATA