全日本女子プロツアー第3戦 in 湘南
全日本女子プロツアー3連勝を達成した河原千尋
8月10日(日)、『全日本女子プロツアー第3戦 in 湘南』の決勝日が、平塚市の『Billiards Amigo』(ビリヤード・アミーゴ)で開催され、河原千尋(日本プロポケットビリヤード連盟/JPBA 以下選手同)がファイナルで栗林美幸を下して優勝(7-5)。これにより、同選手が14年に開催された3戦全てで優勝を果たした。
決勝シングルのフォーマットはナインボール・7ゲーム先取の勝者ブレイク。この日、河原は初戦でトップアマの小西さみあ選手と対戦するも、序盤からスコアを引き離して7-1と反撃の隙を与えず、続くベスト8は佐藤千晶と相対したがここも7-1で快勝。台頭する新しい力に、障壁として立ちはだかった。一方、栗林は藤田知枝(7-3)、土屋純子(7-4)と安定のパフォーマンスで下してベスト4に。
ベスト4は左から曽根恭子、栗林美幸、河原千尋、夕川景子
残った4名は、河原、栗林、曽根恭子、夕川景子と、いずれも歴戦の実力者が顔を揃えた準決勝は両テーブルが白熱の内容となった。栗林vs曽根は差の付かない一進一退の攻防となり、ヒルヒルの末に栗林が頭一つ抜け出す。河原vs夕川は序盤に夕川が走り6-2でリーチをかけるも、そこから河原が逆襲。5ゲーム連取で振り切った。
そして迎えたファイナルは第2戦と同カード。今季は海外にタイトルを持ち去られた『ジャパンオープン』を除けば、国内公式戦はこの2人以外に勝者はいない。その状況は今回も保たれることになった。
栗林、前回ファイナルのリベンジならず
試合は互いにミスの少ないハイレベルなプレーが応酬されることになる。観戦していた工藤孝代(ベスト8で曽根に敗れた)は「(2人は)プレー選択にミスが全くないゲームをしています。特にこのゲーム(ファイナル)はそうですね。ともにセーフティの精度も高いですし、それをしっかり返すところも決勝に勝ち上がってきている理由だと思います」と、その強さを説明。
やがて終盤までもつれた決勝は第12ゲーム目、工藤がポイントの1つに挙げてくれたセーフティで河原がファウルを奪い、そこから7-5として女子プロツアー3連勝を決めた。
今季、中盤・後半戦はどれだけ勝ち星を伸ばしていくのか!?
ベスト4前に、来場者への催しとして4選手の意気込みが紹介された中で、「残り14回9番を入れたいと思います」と語っていた河原。ファンサービス込みの発言とは言え、有言実行は簡単なものではなかっただろう。
現在、台湾で修行中の河原はこの第3戦後に再び、日本を離れるという。向こうでは、量、質ともに以前よりも増して充実の練習ができているそうで、今回の優勝にも良い影響があったようだ。何よりも、お世話になっているコーチの存在が大きいと感じている模様。
この試合での問題点も台湾へ持ち帰り、コーチと一緒に改善していくという。現時点でも国内トップクラスの河原だが、さらに、このまま誰にも止められない存在となろうとしている。