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過去のニュース(2014年)

2014.08.11 トーナメント

内垣建一、勝機を逃さず1年2ヶ月ぶりの優勝!

東日本グランプリ第6戦 in 池袋『ロサ』

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グランプリ通算8勝目を挙げた内垣建一


日本列島が大雨に見舞われた10日(日)、東京・池袋の『ビリヤード・ロサ』にて、『東日本グランプリ第6戦』(GPE-6)の決勝ラウンドが開催された。フォーマットはテンボールの8ゲーム先取、シングル・イリミネーション。悪天候にも関わらず多くの観戦客が訪れ、広大なロサの奥の一角を隔離する格好で「アツいGPE空間」が作られていた。

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大会会場となった東京・池袋の『ビリヤード・ロサ』


前日の予選で赤狩山幸男羅立文土方隼斗など、上位陣が軒並み敗退する波乱含みの幕開けとなった今大会。戦前から注目を集めていたのは、前節(GPE-5)までにGPEで3連続優勝を達成し、今大会でGPE史上新記録となる4戦連続優勝のかかった栗林達だった。その栗林は、ベスト16で東條紘典との接戦をものにしたが、続くベスト8の菅原利幸戦で、手球の距離感が合わないミスを頻発。その隙を、高いスキルを誇る巧者、菅原が見逃すはずもなく、8-5で栗林を止めてみせた。

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栗林のGP4連覇を止めた菅原利幸は3位タイ


大本命が消えた今大会の4強は以下の通り。浦岡隆志(ベスト16で有田秀彰、ベスト8で嶋野聖大に勝利)、永松宣明照屋勝司鎌田啓之に勝利)、菅原利幸(松村浩道・栗林達に勝利)、内垣建一(松田渉高野智央に勝利)。この内、プロ入り初の4強進出を叶えた永松を除くと、浦岡はGPEで過去4勝、菅原も4勝、そして内垣は7勝と、中堅層に位置する三者のGPEでの実績は十分。このことからも東日本男子プロの層の厚さがわかる。

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同じく3位タイの浦岡隆志


そのセミ・ファイナル。まず浦岡vs永松戦は、永松が序盤リードするものの浦岡がすかさず逆転。しかし、永松がミスの少ないプレーで終盤に再逆転を果たして勝利した(8-6)。これで永松はプロ入り初のファイナル進出。もう1カードの菅原vs内垣戦は、ハイレベルなランアウトやセーフティの応酬が見られる一進一退の攻防の末に、内垣が頭一つ抜け出して8-6で勝利を収めた。

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プロ初の決勝を戦った永松宣明が準優勝


ファイナルは完全に流れが内垣に向いていたと言うべきか。「トーナメントを戦い切る体力の不足を感じた」と後に本人が語ったように、これまで軽快にランを重ねてきた永松のプレーは精彩を欠いていた。一方、トーナメントの難しさも勝利の味も知る男、内垣の状態は永松とは対極にあっただろうか。ファイナルでもペースダウンすることなく、持ち前の小気味良いテンポと硬軟自在のストロークで加点していく。最後は1番ボールから華麗に取り切って8-3で勝利。昨年のGPE-4以来となるGPE通算8勝目を飾った。

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この日の内垣はベストの状態ではない中でも「戦って勝つ」プロの仕事を実践した


「ツキに恵まれましたね。自分のやりたい球ができた訳じゃなかったけど、このトーナメントに上手く対応できたし、流れに乗れたと思います」(内垣)

終わってみれば、国内外で実績を積み重ねてきた内垣が十分にその存在感を発揮した格好のGPE-6。次節、最終戦(GPE-7)で内垣がどんなプレーを見せてくれるのか。そして、他にどんなメンバーが決勝ラウンドに集まるのか、今から楽しみだ。なお、今大会の結果を以って、栗林の2014年GPEランキング1位が確定した。栗林は2年連続のGPE・MVPだ。混戦の2位以下は最終戦で確定する。

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大会最終戦を待たずにグランプリMVPを決めた栗林達


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