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2014.08.04 その他

JPAが"玉のみやこ"京都で始動!(後編)

スタートから1ヶ月。現場の声はいかに!?

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開催店舗の一つ、京都市内の『ビリヤードY's』での様子(写真提供/JPA)

さっそく前編に続いてまいりましょう。

●小山久博氏のコメント(現京都府ビリヤード協会理事長、京都市内で『ビリヤード Y's』を経営、2チームが参加中で、自身もメンバーとして活躍中)

「協会の立場、お店側の立場、そして僕自身もメンバーとして参加しているので3方面からJPAを見ていますが、実際にやってみると噂通りマイナス要素がなく、プラスばかりですね。正直、お店にチームを作ることにメリットはあってもデメリットはないと感じています。そしてこれは京都のビリヤード界にとって、今後の活性化の材料になる、と見ています。

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小山氏はKRC(京都ローテーションクラブ)の主力選手の一人でもある

何よりよくできたルール、素晴らしいシステムですね。上級者が入ると自然と初心者を入れないとチームが組めない仕組みですし、新しい人が新しい人を呼ぶという形が作りやすいものになっています。お店としては繁栄のために、協会としては裾野を広げるために、このシステムを活用していきたいと思います。

チーム作り成功のカギは中心になる人、つまりキャプテンの人選、これに尽きると思います。お店としては、適任の人を探すか、自らがやるかの二択になりますね。今後は協会の試合などにおいてもJPAのクラス分けなどを参考にしたりして、京都のビリヤード人口を 増やすための策に活用したいとも考えています。

楽しければ人が人を呼んでくれるので、ずっと願い続けてきた「ビリヤード人口が増えて欲しい」ということをカタチにできるシステムが京都に入ったと喜んでいます。僕も長年競技者としてプレーをしてきましたが、JPAに参加してみると、全く新しい感覚の楽しさを感じています。チーム戦ならではの雰囲気もありますからね。もちろん「自分がポイントをたくさん取らなければ」っていう独特のプレッシャーもありますが(笑)。」

このように小山氏は3つの立場から俯瞰的に捉えておられます。KRC(京都ローテーションクラブ)の主力選手の1人でもある小山氏の目には、現在の競技層と新しいビリヤード愛好家が一緒に楽しむチーム戦の輪郭が映っているのだと感じますね。と同時に、前編の浪江氏と同様、責任ある立場からの目線と言葉には、ビリヤード人口を増やして業界を盛り上げたいという願いがひしひしと伝わってきました。続いて光岡純子プロのお話を聞いてみましょう。

光岡純子プロ(JPBA、専属店『POOL BLOW』から1チーム参加中)

「良いところから話すと、ウチは普通のビリヤード場と比べると競技層や上級者が少ないお店なので、『(試合に)行っても上手い人ばかりだから』という感じで、大会に出ない人が多かったのですが、JPAのチームができてからはモチベーションも上がって、練習する時間が確実に増えたと感じています。

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こちらも開催店舗の一つ、京都市内の『POOL BLOW』での様子(写真提供/JPA)

中上級者をメインにした仕組みじゃないから、ヤル気、やりがいを感じてくれていると思います。そして元から仲は良い人達で構成しているチームですが、始まってからは一層仲間意識がアップしたと感じます。結果としてお店の活気も増して、平日でも満台とか混み合っている光景を見ることが多くなりました。それにJPAルールでお客さんと対戦すると、新鮮な感じでナインボールが出来るので、私も楽しんでいます。

悪い点というのが見当たらないのですが、残念だったのは私も参加したかったのに、プロは出られない、っていう点ですね。JPAの人にちょっとしつこく食い下がってみたけどダメでした。『そんな基本的なことも知らないの?』って呆れられたかもしれません(笑)。そんな私を可愛そうに思ってくれたのか、チーム名に私の名前を入れてくれて(『スナック純子』)、『光岡さんも一緒に戦っているんだよ』っていう風に言ってもらったり。

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光岡純子プロも専属プロとしてJPA効果を感じているという

ウチのお店のチームはLINEのグループトークでやり取りをしていて、そこに私も入れてもらっているんですけど、反省会的なやりとりがあったり、『来週の試合はこのメンバーでいこう』とか作戦の打ち合わせもあったりして、本当にチームで戦うっていいなー、と、今でもうらやましく思っています」

プロは参加できない。そのルールは残念だったようですが、光岡プロにとって目の当りにするチーム戦が魅力的なものであり、勤務するお店の活性化に手応えを感じておられる様子。そして光岡プロと言えば人気絶大。『スナック純子』のユニフォームなどが作成された日には、全国にいる光岡プロのファンが欲しがるかもしれませんね(笑)。

最後に文中に登場していた『裾野を広げる』『ビリヤード人口を増やす』というJPAの効能について、簡単に概要を補足として入れておきます。

JPAは5人vs5人のチーム戦(対戦は個人戦)が基本で、スキルレベル(ハンディ)を9(従来のSAレベル相当)から1(女性初心者)に分け、『6(Bの中程度)以上のプレイヤーは2人まで』『5人のスキルレベル合計は23以下』といったルールが厳格に適用されます。つまり、B〜C級で構成して上限ギリギリ。A級選手を入れると必然的にC級未満の人を混ぜなければならず、このC級未満の人には同じくC級未満の友達が多いことから、従来の競技者層の世界では広がりに限界があった「新しい人を招き入れる」ことが実現可能となっていると感じます。

また最大8人まで登録できるメンバーの中で対戦カードを戦略的に決めたり、試合中にタイムを取ってコーチングが認められるなど、「チームで総力を挙げて闘う」という要素も連帯感や盛り上がりに寄与していると窺えます。そして最後に宣伝を。JPAの主役となるのはB〜C〜ビギナークラス。ちょうど本日発売のCUE'S9月号はそんなクラスの『楽しむビリヤード』を特集にしています。ぜひこちらもご覧いただければ幸いです。

Akira TAKATA