特派員の観戦後記
A・リニングの優勝で幕を下ろした今年のジャパンオープンを振り返る
既報の通り、フィリピンの撞球職人、アントニオ・リニング(フィリピン)が8年ぶり2度目の『ジャパンオープン』優勝を果たしました。昨日は当Web CUE'Sでも5本の記事がアップされて、存分に記事と写真で大会の様子をお楽しみいただいたことと思います。今日は4年ぶりにジャパンオープンの現場に入った西日本特派員が、まったく別の角度からジャパンオープンを振り返ってみたいと思います。
金子昇さんが友情出演しました
まず昨日もお伝えしていますが、今回はゲストに俳優の金子昇さんが登場されました。選手としても出場されて、2日目(ベスト128)を目前に惜敗されましたが、本誌でも連載しているように、本当に本当に「ビリヤード大好き!」がオーラで伝わってくる爽やかナイスガイな方でした。
実際、関係者との談笑に耳を傾けていますと、ビリヤードの話の時がもっともエネルギーに満ち溢れ輝いておられました。しかも会話も素敵。そして相次いで「実物、カッコイイ!」と男女を問わず声が聞こえてきます。今後、皆さんも試合会場などで見かけたり対戦する機会があるかもしれませんが、本当に笑顔が素敵すぎるのでご注意(?)ください。
話は変わりまして、過去に遡ります。本大会歴代最多勝ですが、第1回大会を皮切りに計4度の優勝を数える奥村健(現JPBF)の大記録が今なお輝かしい記録として輝いています。次点が3勝のフランシスコ・ブスタマンテ(フィリピン)、そしてリニングが単独3位の位置に付けることになりました。一方、女子の部では梶谷景美が27回中5回優勝、という驚異的な数字を打ち立てており、高木まき子と栗林美幸が2勝で同率2位に付けています。今後も男女とも最多勝を日本人で守り続けたいですね。ジャパンオープンですから。
そして女子の優勝は18歳の呉芷婷
このまま女子の部に話を移します。今回、決勝戦で李佳(JPBA)を下して優勝を飾った呉芷婷(台湾)は、昨年の北陸オープンも制しています。この2冠達成は実は台湾選手に多く、周婕妤や譚禾耘もいずれも歴代優勝者に名を残しています。もちろん台湾女子に強豪が多いことは周知の通りですが、18歳の呉がそれを達成することは、まだ予想しにくい段階でした。が、今回の優勝で更に強くなることは間違いありませんね。呉より海外戦で上回る実績を持つ日本人選手はまだ少なくありませんから、来年はビシッと巻き返しに期待したいところです。
そして最後に、今回の女子ベスト4の美しい写真で締め括りたいと思います。ただし足元の。普段はあまり気にしないのですが、厚底や踵の高い靴があったのでカメラに収めてみました。4者4様。アナタはどの人がどの靴を履いていたのか判りますか? ヒントは左利きのスタンスが準優勝者、ラバーソールはアマチュア選手、チャンピオンは踵の高さも一番だった、といったところです。それでは皆さん、8月4日(月)に発売の『CUE'S 9月号』でお会いいたしましょう!