東日本グランプリ第5戦
左から3位タイ・照屋勝司、優勝・栗林達、準優勝・土方隼斗、3位タイ・有田秀彰
7月6日(日)、東京都品川区『ミスタースポーツマン中延店』にて『東日本グランプリ第5戦』(GPE-5)決勝トーナメント(ベスト16から)が開催され、栗林達が今季3連勝となる快挙を果たした。この勝利により、同一会場での4年連続優勝という珍しい記録も達成している。
今回の「GPE-5」は、近年の大会では採用されることがなかった「ナインボール・勝者ブレイク」。そのため勝敗は誰が一気に駆け抜けるかがカギとなるかに思われたが、そこは厳しい予選を勝ち抜いた腕利き達、序盤でリードを広げられても追い付くまでが早い。
ベストアマ・酒井将義(5位タイ)
それはアマチュア2選手にも共通で、トップレベルのプロ達に劣らないプレーを披露していた。アマチュアの坂本晃一は栗林に序盤にリードを奪われながらも、7-9と惜敗。酒井将義(アマ)は津堅翔を初戦で破り、ベスト8で敗れたものの、有田秀彰を相手にあと一歩まで迫る健闘を見せベストアマに。
ベスト16、8までは特に僅差の決着が多かったのが特徴的。全体を見渡しても4ゲーム以上の差で決着を見たのは12試合中3試合だった。走られても追い付けるだけの技術と気力が凝縮されていた回転だったとも言い換えられる。
有田は世界選手権での経験を生かして健闘
やがて、決勝まで勝ち上がってきたのは高野智央(ベスト8)、有田(準決勝)を下した栗林と、赤狩山幸男(ベスト8)との死闘を制し、照屋勝司(準決勝)に快勝した土方だった。 ファイナルは4連マスを絡めた6ゲームを奪い、栗林はトップギアでここを一気に駆け抜ける。そこからの逆襲を強いられ勢いに乗れない土方(1ゲームを返す)を尻目に再び2ゲームを奪い早くもタイトルに王手。
今季GP初勝利に一歩届かず
厳しい展開の中、ファインプレーを皮切りに土方が終盤に2ゲームを返すも、「Low」から「Top」まではある程度の助走が必要というもの。だが、その余地は残されていなかった。土方のブレイクスクラッチから始まった第12ゲーム。栗林が次の9番ボールに目線を向けた時、「OK」の声が掛かった。
今大会で注目すべきは、ベスト4に勝ち上がった中の3名(栗林、土方隼斗、有田)が先の世界選手権に参戦していた面々であったということ。外へ出て行くことで得られた経験値の大きさが、早くも反映されたと見るのは時期尚早かもしれないが、単なる偶然ではないと思われる。
中延は栗林のホームと化した
優勝の栗林は早くも東GPランキングポイントが900に到達(第6戦もシードとなるため、出場さえすれば1000ポイントに到達する)。2位には赤狩山が700で付けているが、残り2戦で200ポイントのリードは大きなアドバンテージ。
次戦は8月10日(日)、東京・池袋『ビリヤード・ロサ』が決勝会場となるが、栗林の4連続優勝を誰が阻むのだろうか。年間MVPの行方を大きく左右することは間違いないだろう。