西日本グランプリ第3戦
今戦の会場は『玉出ビリヤードACE』
去る6月29日(日)に大阪市西成区の『玉出ビリヤードACE』(予選は他複数会場使用)において『西日本グランプリ第3戦』が開催された。結論から先に入ると、優勝したのは竹中寛。まずは、今回までの西日本GPファイナリストデータを見ていただきたい。
第1戦(広島) 優勝:大井直幸 準優勝:杉原匡
第2戦(兵庫) 優勝:川端聡 準優勝:竹中寛
第3戦(大阪) 優勝:竹中寛 準優勝:松尾武司
昨シーズンの男子全日本ランキングのトップ10に入った西日本所属選手は5名。上位から順に田中雅明(3位)、川端(4位)、大井(5位)、竹中(6位)、青木亮二(9位)となっている。この内の3人がタイトルを順に獲った今年の西GPは『順当』と表現してよい状況だろう。
田中と9位タイの大井は世界選手権から帰国後すぐの参戦となった
試合に話を戻すと、階段を登るにつれスイッチが入った様子のサムライは、『狙った球は必ず入る』という雰囲気で、ベスト16から杉原、大井、福本宇太郎を下して、2戦連続となる決勝戦へ進んだ。反対の山からは、桐山裕嗣、川端、北谷好宏を下して松尾武司が登場。実は昨年の『東海グランプリ』のベスト8で竹中ー松尾のカードが実現しており、その時は松尾が勝利を収めている。
松尾のプロ公式戦初優勝か? それとも竹中が4年ぶりとなるグランプリ制覇を果たすのか? そんな注目を集める中、川端がレフェリーを務めてファイナルがスタート。第1ラックのセーフティ戦を制して松尾が先行する。だが、次ラックのブレイクがノーインに終わると、流れは竹中に。そして1-1にスコアで並ぶと、ここから冴えわたるブレイクを見せてマスワリ3連発! 一気に4-1とリードを奪った。
序盤から走っていく竹中
その後、竹中が5-1とリードを広げたところで松尾が2番でフリーボールを手にする好機を生かして1点を返す。だが、次の第8ラックで再び竹中にチャンスを与えてしまい万事休す。波に乗る日本屈指のシューターは軽快に得点を重ね、開始から40分弱のスピード決着となった。
松尾のプロ公式戦初勝利は次戦以降に持ち越しだ
今回の決勝戦は両者ともにリズミカルで、竹中が魂の入ったアグレッシブなプレーを披露すれば、松尾は大きなトルクを備えつつ繊細なビリヤードを披露した。トーナメントの華はやはりファイナルというメインステージ。ここで地力の高さを見せた松尾。シーズン後半に期待が寄せられる。
左から3位タイ・福本、優勝・竹中、準優勝・松尾、3位タイ・北谷
「嬉しい。とにかく嬉しいですね」と表彰式後に語ったのは竹中。まだ未確定な要素は残すものの、今年の西日本GPはあと2戦を予定している。冒頭に記したファイナリストデータはどのように更新されるのか。プレイヤーとして名を刻み込むのは誰なのか、興味深く追いかけて続報をお届けしたいところだ。
そして、この注目のステージに立つためには、まずは参加するところから。試合から遠ざかっているプロ選手はもちろんのこと、西日本GPには出場アマチュア選手に『ペアで行くハワイ旅行』を獲得するチャンスも用意されているので、ぜひ出場して、一歩ずつメインステージへと近づき、そしてプレイヤーとして最高の瞬間を体感していただきたい。
Akira TAKATA