第64回全関東スリークッション選手権大会
小林英明は決勝で今年の全日本選手権者・新井達雄を下して優勝
都心の一部交通機関が麻痺するほどの豪雨に見舞われた29日(日)、東京・新大久保の『ビリヤード小林』で、『全関東3C』の決勝ラウンドが行われ、小林英明が3年ぶり2度目の優勝を飾った。
事前の予選を通過した24名に、決勝シードの3名(梅田竜二・米山聡・肥田緒里恵)と昨年度覇者・界敦康を加えた計28名が、今年で64回の歴史を誇る栄誉あるタイトルをかけて競い合った。フォーマットは30点ゲームのシングル・イリミネーション。
決勝ラウンドの会場は『ビリヤード小林』
今回、決勝ラウンドに進んだアマチュア勢は7名。その多くが初戦(ベスト24)と次戦(ベスト16)で姿を消す中、『全日本アマ』連覇の実績を持つ本松良はセミ・ファイナルまで進出。惜しくもそこで優勝した小林に敗れたが、トップアマの技量と安定感を遺憾なく発揮していた。
3位タイ・本松良
昨年度覇者の界は、初戦のベスト16で田名部徳之に勝利する上々のスタートを切ったものの、ベスト8で小林に敗退。昨年の本大会以来となる「2つ目のスリークッションタイトル」はお預けとなった。
お預けと言えば、期待のルーキープロ、
森雄介は、グイグイとキューを出す勢いあるプレーでプロ3C公式戦自身初のセミ・ファイナル進出を決めたが、今年の全日本選手権覇者、
新井達雄の老練なプレーの前に失速。今年4月に『全関東バンド』でプロ入り初優勝を飾った森だが、スリークッションでのプロ初Vはお預けとなった。
3位タイ・森雄介
さて、優勝した小林は、初戦から
宮下崇生、小嶋正史、界、本松と連破してファイナルへ進んだ。そこに待ち受けていたのが、5月の全日本選手権からの連続優勝を狙う新井。この両名の対決は、序盤から小林優勢となり、逃げる小林・追う新井という構図で展開していく。一時は25-14(第16イニング)と小林が大きくリード。しかし、新井はこの日、
甲斐譲ニ戦・梅田竜二戦と、2度終盤での逆転勝利を収めているだけに、小林も全く油断できなかったに違いない。
準優勝・新井達雄
第18イニングで新井が7点ランを出して新井21-25小林と一気に差が縮まる。「またここから逆転が?」と固唾を呑んで見守るギャラリー。しかし、連戦の疲れもあったか、新井の反撃はここまでだった。新井の追い上げに動じることなく、淡々と自らのプレーに徹した小林が、21キュー・30-21で勝利した。
「内容の良し悪しはともかく、腹を括って撞けましたね。スリークッションの優勝は前回大会以来なので、本当に嬉しいです」
そう満面の笑みで語った小林。栄えあるタイトルと絶好のコンディションを携えて、1週間後に大阪へ向かう。『全日本バンド選手権』。こちらも2度目の戴冠となるだろうか。
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