男子ナインボール世界選手権
カタールから有田秀彰プロのレポートが編集部に到着!
WEB CUE'Sの読者の皆さん、こんにちは。JPBAの有田秀彰と申します。僭越ながらこの場所を借りまして、私から見た『男子ナインボール世界選手権』2014@カタール・ドーハのレポートをさせていただきます。題名の通り、この大会はWPAが主催する年に1回の世界チャンピオンを決める大会です。これを書いている現在のこちらの日時は6月25日(水)の午後11時(日本時間ー6時間)。大会もベスト64の全試合を消化したところです。
ご存知の方も多いかと思いますが、この大会は6月16日(月)~19日(木)までのステージ1という本戦出場枠をかけた試合と、21日(土)~27日(金)まで行われるステージ2の2つに分かれています。そのステージ2にはWPAランキングでのシード、さらに各国や地域に割り当てられたシード、そしてステージ1を突破した選手の合計128名が「世界チャンピオン」の覇をかけた試合を繰り広げます。
128名の中にはJPBAランキングでシードされた、土方隼斗プロ、羅立文プロ、田中雅明プロの3名の他に、ステージ1を見事に突破した赤狩山幸男プロ、栗林達プロ、大井直幸プロの合計6名が名を連ねていました(私個人の結果を申し上げると、3度のステージ2進出をかけた決定戦を撞きましたが力不足で及びませんでした)。
試合会場となる『アルサッドスポーツクラブ』
21日(土)から始まったステージ2、128名を半分の64名に絞るまでダブル・イリミネーションでのグループラウンドが行われます。フォーマットは9ゲーム先取の交互ブレイクです。ステージ2ともなると、本人だけでなくその国や地域を代表して戦うということもあってそのプレッシャーや、はたまた意地やプライドといった感情を肌で感じるような気がします。
24日(火)までに全てのグループラウンドが消化したわけですが、意外にもそこで敗退してしまった選手を以下に挙げてみます。「神様」エフレン・レイズ(フィリピン)、「カナダの新鋭」ジョン・モーラ(カナダ)、「'11年世界チャンピオン」赤狩山幸男。ステージ1を突破し、その実力を見せつけた赤狩山プロでしたが、終始ブレイクに悩まされた展開となっていました。
会場の中では、この日からテレビテーブルに囲いができました
そして、今日行われたベスト64の試合(ここから11ゲーム先取のシングルイリミネーションとなります)では以下のような選手が姿を消すことになりました。「'01年世界チャンピオン」ミカ・イモネン(フィンランド)、「'04年世界チャンピオン」アレックス・パグラヤン(カナダ)、「'07年世界チャンピオン」ダリル・ピーチ(アメリカ)、「'11年マニラ10ボール世界チャンピオン」フーチー・シー(オランダ)、「'12年ジャパン・オープンチャンピオン」ウォーレン・キアムコ(フィリピン)、「'12年WPAランキング1位」張榮麟(台湾)、「'13年WPAランキング2位」リー・バン・コルテッザ(フィリピン)、「皇帝」ラルフ・スーケー(ドイツ)、そしてディフェンディングチャンピオンのトーステン・ホーマン(ドイツ)さえもベスト32に駒を進めることができませんでした。
また、JPBA選手の結果を挙げてみますと、羅プロ、田中プロがベスト64で敗退[羅4-11呉慶咖(中国)、田中8-11土方]となるものの、その田中プロを破った土方プロ、栗林プロ、大井プロの3名がベスト32に残っています。これまで挙げたように錚々たるメンバーが次々に戦いの場を去らなくてはいけない厳しいトーナメント。果たして、その激戦を勝ち残り「世界チャンピオン」の称号を手にするのは誰なのか!? 次回は日本人選手の内容を中心にお伝えしたいと思います。