東日本グランプリ第4戦
東日本グランプリ第4戦の会場は『キャノンボール大森』
6月1日(日)、東日本グランプリ第4戦決勝が東京都大田区『キャノンボール大森』にて開催された(予選は前日に東京近郊ビリヤード場にて開催)。今戦はナインボール・9ゲーム先取、交互ブレイク、セルフラック、スリーポイントルール採用というフォーマット。今年初のナインボールでの開催となり、近年の主流となっているテンボールの試合とは変わった戦術、選手達の技巧が見られた。
トッププロ達の中で3位タイの結果を残した持永隼史
ベスト16から土方隼斗が栗林達と激突し、ヒルヒルの末に(9-8)敗れるなどトッププロ達の熱戦が繰り広げられる中で、今戦唯一のアマチュア選手である持永隼史が大健闘。ベスト16から有田秀彰を9-5で破るとベスト8では津堅翔を9-7で下し、苦しい試合をこなしながら準決勝にまで駒を進めた。
準決勝では先日、『第13回全日本スヌーカー選手権』で優勝を飾った水下広之と対戦。水下はこの日、林研字、虻川修を相手にそれぞれ9-2、9-3と危なげなく勝利している。そしてこの準決勝も水下が序盤から一気に引き離してそのまま逃げ切り、9-4として決勝まで勝ち進んだ。
全日本スヌーカー選手権からの勢いそのままに勝ち上がった水下
もう一方の山から上がってきたのは土方、大西想、赤狩山幸男を破った栗林だ。前戦での『Link 北千住』での開催に続く2連勝を懸かった決勝戦となった。
このファイナルは水下のブレイクでスタート。序盤から互いに一歩も譲らない展開が続く。水下が1歩進めば、栗林がすかさず並び、栗林が前に出れば水下がすぐに追い付くという展開。交互ブレイクということもあり、なかなか差のつかない一進一退の攻防の末に、スコアは7-7になった。
2戦連続優勝の懸かった決勝戦を戦う栗林
第15ゲームは水下のブレイクターン。この日、目の覚めるようなシュートを決める一方でブレイクには悩んでいる様子だった水下。絶対に落とせないこの大事なゲームでのブレイクをスクラッチ。万事休すかと思われたが、直後に栗林にもらしくないポジションミスがでてしまい、水下にまた撞き番が回って来た。これをセーフティにいくものの少しクッションが思ったよりも跳ねたか、オープンな配置を譲った。これを栗林が取り切り、リーチをかけると直後の第16ゲームをマスワリで締め括り、栗林が2戦連続の優勝を手にした。
次戦は土方以来二人目の3戦連続優勝を狙う
このファイナルは大接戦となり、互いに素晴らしいショットを幾つも繰り出す一方で、終盤になると思わぬミスが互いに出てくる試合になった。一瞬の気の緩みも許されないナインボール・交互ブレイクというフォーマットが作り出したのであろうか、大変な緊張感に包まれたゲームだった。
栗林はこの優勝でポイントランキングで大きく抜け出した。このまま独走で2年連続のグランプリMVPにまで走っていくのだろうか。そしてそれを止める選手は出てくるのだろうか。いよいよ東日本グランプリも後半戦に差し掛かる。7月6日(日)、『Mr.スポーツマン中延』での第5戦も目が離せない。