Player Pick up 栗林達
昨年MVPがいよいよ1勝
既報の通り、5月11日(日)に決勝が開催された東日本グランプリ第3戦は栗林達が制した。栗林の今年のグランプリの結果は2度の5位タイ。過酷な東日本でこの結果を残して来た栗林が3戦目にして今年1勝目を獲得し、ひとまずは東日本グランプリランキング首位に立った。
この日の栗林はどのゲームも先行し続ける試合展開にした
決勝は初戦から危なげない試合を続けた栗林。ベスト16で芳賀広訓アマ(8-4)、ベスト8で津堅翔(8-4)とともに序盤から先行する試合展開で相手を寄せ付けない。特にブレイクがよく当たっていて一日を通してノーインとなるブレイクはほとんどなかったようだった。ミスも少なく、とにかく強い栗林がこの日は見られた。練習をともにすることもあるという津堅をして栗林のことを「まるでガンダム」と言わしめた。
相手にほとんどチャンスを与えなかった
ベスト16で前戦準優勝の照屋勝司、ベスト8で川本比呂志を破り勝ち進んで来た塙圭介が栗林の準決勝の相手。その塙を相手に栗林はまたも5-2と先行するも塙も粘り、遂にはヒルヒル(7-7)対決となった。この最終ゲーム、ラッキーなショットも飛び出しつつミスなく取り切り、決勝へ。この日の栗林が流れをものにしている様子が見て取れるゲームとなった。
準決勝は厳しいゲームとなったが運も味方につけて勝利
そして迎えた早瀬優治との決勝の試合展開は昨日の記事を参照して頂きたい。この試合を栗林は「配球、めぐりが良かった。あれが早瀬プロに回っていたら同じようにやられていたと思う」と話した。たしかにこの日の早瀬は見るからに絶好調で決勝戦での目立ったミスも最後のゲームの一つだけ。その早瀬を相手に中盤以降はほとんど席を立たせずにあっという間に試合を決めた栗林はまさに圧巻で、見事な優勝だった。
特にこの日はブレイクの安定感が光った
しかしながら栗林が言うには「調子は良くはない」「球は入っていても自分の納得の行くプレーはできていない」とのこと。これだけの内容で自らそう話すのはプロ意識の高さからだろう。話を聞くと「MVPを取った去年も2連続優勝した終盤よりも前半の方が状態は良かった」と語る。決して自らの状態が結果に直結する訳ではないのがビリヤードの難しいところ。「自分が今後良くなっても相手も良くなる。相手のプレーもちゃんと自分で受け止めてプレーしたい」と話した。栗林の言葉は常に勝ち続けることが難しいプロの世界を表しているようだった。
昨年MVPが一勝。今年の東日本グランプリ、すでに全7戦のうち3戦が終了した。栗林が今回で現在ランキング1位に立ったがそのすぐ後に赤狩山幸男、羅立文、塙、土方隼斗といった選手達も続き、僅差のポイントの間に何名ものプロ達が凌ぎを削っている。強豪ひしめく東日本、栗林は2年連続MVPに向けて進んでいく。