第21回全日本女子スリークッション選手権
最終戦で肥田緒里恵を下して優勝を果たした西本優子
好天に恵まれた5月10日(土)、『霞が関ビルディング』内のプラザホールにて、『第21回全日本女子スリークッション選手権大会』の決勝ラウンド最終日が開催された。
会場となった『霞が関ビルディング・プラザホール』
遡ること2日前の8日(木)、同会場で8名のプレイヤーによる予選ラウンドが行われ、4名が決勝ラウンド行きの切符を手にした。この4名に決勝ラウンドシードの5名を加えて、翌9日と10日の2日間に渡って、9名で決勝総当りリーグ戦(25点ゲーム)がスタート。午前10時、ブラウスにベストという正装の9名が現れると、会場は華やかで凛とした空気に包まれた。
準優勝の肥田緒里恵
星取表の一番上、一行目に名前があったのが昨年度の覇者であり、大会20回中13回の優勝を誇り、さらには世界選手権3連覇の実績を持つ「女王」
肥田緒里恵。肥田は持ち前の高い得点力を見せて、戦前の予想通り初戦から無敗をキープし続ける。その肥田を追いかける立場となったのが、星取表の二行目に位置する現・女子世界チャンピオン、
東内那津未。しかし、初日は思うようにスコアが伸びず、佐野清子(アマ)に敗戦を喫し、2日目も
西本優子に敗れて優勝戦線から後退した(最終的に4勝4敗の3位)。
3位の東内那津未
そんな中、「根性出して」奮闘したのが、2006年のプロ入り以来国内女子3C界のトッププロとして、また肥田の好敵手として活躍を続ける西本優子。2011年度大会の覇者でもある西本は、肥田と同じく初戦から黒星なしの連勝街道を行く。
そして迎えた最終節で肥田vs西本の「全勝対決」が実現。この試合は、序盤から西本が僅差でリードを保ち続け、迎えた26キュー目、西本は厳しい配置から4点を撞き切って先に上がった。この時点でのスコアは西本25-21肥田。後攻の肥田には「裏撞き」があり、初球から4点撞き切ればドローだ。もし引き分ければ両者ともに7勝1分となり、アベレージに勝る肥田が優勝ということになる。
西本は『世界レディーススリークッション選手権』の代表権を手にした
意を決して放たれた肥田の黄球は、しかし、わずかに白球を逸れてしまいゲームセット。この瞬間、西本優子が自身2度目の全日本タイトルと、10月にギリシャ・アテネで予定されている『世界レディーススリークッション選手権』の日本代表権を手にした(※ディフェンディングチャンピオン・東内那津未の参戦は既決。また、枠の状況によっては今大会2位の肥田以下のメンバーにもチャンスがある)。
「出来は良かったとは言えないですが、諦めない気持ちで戦い切れました」
表彰状を手にしながらそう語って笑顔を見せた西本。もちろん次の大きな目標は10月の世界選手権となる。前回、2012年東京大会では東内にファイナルで敗れて2位だった。目指すは金メダルしかない。
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