第71回全日本スリークッション選手権大会
激闘となった2次予選リーグ
『霞が関ビルディング・プラザホール』で行われている『第71回全日本スリークッション選手権』。大会4日目となる5月3日(土)は「2次予選」の全プログラムを終了した。2次予選は42名が3名ずつ、14のグループに分かれてリーグ戦で争う形式(30点ゲーム)。
次のステージである「最終予選」に進めるのは、各組の1位通過者と各組2位の中の上位6名。すなわち計20名ということになる。ここは「決勝シングルトーナメント」の2段階手前ということになるが、過去3度の優勝を誇る甲斐譲ニを始め、優勝経験者も多数登場していた。そんなタイトルホルダー達に、新進気鋭の若手プロから実績十分のトップアマ、大会常連の古豪までが挑んでいくという構図がそこかしこに観られ、スリリングな一日だったことを記したい。
田名部徳之は高い攻撃力を見せて最終予選ラウンドへ
20名の通過者の内、C組で2勝0敗、アベレージ1.578というトップの成績で通過したのが
田名部徳之。キューを効かせて良し、細かく撞いて良しの「無冠の豪腕」は、特設会場のテーブルコンディションにもいち早く対応し、高い攻撃力を見せていた。最終予選以降でも注目したいプレイヤーだ。
小林英明も2度目の全日本制覇に向けて順調に勝ち上がり
次いで、H組2勝0敗、アベ1.463の
小林英明が2位通過。2005年大会優勝者である小林はチャンピオンプレイヤーに相応しい迫力あるプレーを展開していた。「最終予選でより良いプレーをお見せしたいですね」(小林)
一方、3名全員がプロという厳しいB組に入った2010年大会優勝者、
森陽一郎はギリギリの通過となった。森はまず田中潤戦を落としてしまい、その田中が小嶋正史にも勝って2勝0敗で1位通過。森としては、小嶋戦に勝ってグループ2位に残ってアベレージで拾われるしかない。そしてそれは小嶋にとっても同じこと。かくして、森vs小嶋戦はこの日の最終回転で最大の注目を集める大熱戦となった。
森陽一郎vs小嶋正史の一戦は白熱の展開となった
試合は、小嶋が主導権を握り、21キューで23-14とリード。しかし、そこから森が起死回生の13点ランを繰り出して逆転に成功。粘る小嶋を押さえて森が24キュー・30-27で辛勝し、「2位の中の上位6名」にも入って、最終予選進出を決めた。「一つ一つ丁寧にプレーしていった結果、ランが繋がりましたね。途中から自分の気持ちも盛り上がってきました」(森)。
全日本はいよいよ最終予選ラウンドに突入
そして、本稿を書いている現在(5月4日)は、すでに最終予選がスタートしている。ここからは昨年度覇者の
船木耕司や、日本のエース
梅田竜二など、8名のシード選手が加わってオールキャスト揃い踏み。森親子(陽一郎と雄介)と肥田父娘(明と緒里恵)という2組のプロ親子がいる点も興味深い。最終予選は、28名が4名ずつ7組に分かれてダブルイリミネーションで争う(40点ゲーム)。最後の決勝シングルトーナメントに進めるのは16名(※各組2名プラス成績上位者2名)。生き残りをかけたタフな戦いは今日も続く。
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