全日本女子プロツアー第1戦 in REVOLVER(tonami)
優勝は現JPBA女子ランキング1位の河原千尋
厳しい冬がようやく終わりを告げ、もうすぐそこまで新しい季節が来ていることを肌で感じられるようになった3月末。29日、30日(土・日)の両日、富山県砺波市の『リボルバーとなみ店』で今年の第1戦となる『全日本女子プロツアー』が開催された。同店での開催は3年ぶりで、前回は大井由希子が木村真紀の倒して優勝している。エントリーはプロ32名、アマ2名の34名。
会場となった富山県砺波市の『リボルバーとなみ店』
1月の『関西レディースオープン』では「復活と新星」というキーワードが鮮烈な印象を残した。久々の優勝を飾り「復活」した
栗林美幸は初戦で現ランキング3位の
曽根恭子に敗れるも、敗者側からベスト16に滑り込むことに成功する。しかし、プロ入り初戦で準優勝した「新星」佐藤千晶は、初戦でベテラン
山内公子に競り負け、敗者側で関西レディースで2度キューを交えた
野内麻聖美に敗退。2戦目にして強烈なプロの洗礼を浴びる形になってしまった。栗林もベスト16で曽根に再び敗戦。全体レベルが上がっている今、試合で勝ち続けることは本当に難しい。
準優勝の工藤孝代
混戦を抜け出し、自身初となる公式戦決勝進出を果たしたのが
工藤孝代だ。工藤はベスト4では昨年の『大阪クイーンズオープン』を制した
夕川景子を撃破。「決して調子が良かったわけではなかったが、試合を重ねるごとに状態は上向いてきた」という工藤、公式戦初優勝まであと一歩と迫った。最後の壁は現ランキング1位の
河原千尋だ。
余談だが、工藤と河原は予選で同じ1組にいたが、共に敗者側からの勝ち上がりだった。二人を敗者側に送り込んだのは、和歌山の
中野正美。中野はベスト16で工藤にリベンジされてしまうのだが、ランキング上位常連の河原クラスでも7先では一発を喰ってしまう可能性があることが、現在の女子のレベルの高さを物語っている。
決勝戦は序盤から終始河原ペースで進んだ
河原のブレイクスクラッチで始まった決勝戦。だが、工藤はこの最初のチャンスを活かせず、序盤は河原が2-0とリードする。「決勝だからといって緊張せず、普通に撞けてはいました」という工藤だが、セーフティミスや好機でのキューミスを厳しくとがめられ、河原が6-3のダブルスコアでリーチをかける。河原の取り出しミスから1点返した工藤だったが、第11ラックでは3番に出せずファウル。河原、これを取り切って、昨年9月の『東海レディース』以来の公式戦優勝を飾った。
大会ベスト4。左から3位タイ・曽根、準優勝・工藤、優勝・河原、3位タイ・夕川
3月頭の『アムウエイオープン』では自己最高位となる5位タイに入った河原。「アムウエイから好調は続いていた」そうだ。「全日本選手権決勝で負けて以来だったので、ベスト16の
梶谷(景美)プロ戦が一番緊張しました」と大会を振り返った。「決勝までは行けたけど、技術的に全然まだまだです」とは工藤の敗戦の言葉。しかし、『関西レディースオープン』ベスト8に続いて結果を残しただけに、今年が彼女の大ブレイクの年になる期待は十分だ。
女子の次戦は少し空いて5月末の『大阪クイーンズオープン』になる。今年は6月に埼玉、8月に神奈川と、既に第3戦まで全日本女子プロツアーの予定が入っている。2014シーズンはまだ始まったばかりだ。
On the hill!