第9回ヤマニカップ
左から3位・船木耕司、優勝・ダニエル・サンチェス、2位・フィリポス・カシドコスタス
優勝の大本命が期待に違わぬパフォーマンスを披露して完全優勝。スペインが世界に誇るトップキャロムプレイヤー、ダニエル・サンチェスが、8年連続出場となった『ヤマニカップ』で自身4度目となる優勝を決めた。
熱戦が相次いだ大会最終日の「ビリヤード ヤマニ」
前稿に記したように、ヤマニカップのFinal Stageでキューを握ることが許されるのは、1st Stageと2nd Stageを突破した6名と、シード選手3名のみ。この選ばれし計9名が、40点ゲームの総当りリーグ戦を2日間に渡って繰り広げた。
森陽一郎はカシドコスタスに唯一黒星をつけての4位
シード選手の一人、初来日初参戦で注目を集めたギリシャのフィリポス・カシドコスタスは島田暁夫に引き分け、森陽一郎に敗戦を喫した以外はオール白星で、6勝1敗1分の2位。前評判通りの繊細で堅実、ハイアベレージなプレーを披露した。同じくシードのサンチェスは、初戦から7戦全勝で最終戦の結果を待たずして優勝が確定。最終戦でカシドコスタスに逆転負けを喫するも、トータル7勝1敗で大会を終えた。
白眉は界敦康戦。わずか9キューで上がる「当てまくりショー」でギャラリーを大いに沸かせていた。そのサンチェスにもっとも食らいついていた日本人は田名部徳之で、38点(22キュー)まで迫るも惜敗となった。
船木耕司は国内勢に全勝しての3位
ディフェンディングチャンピオンであり、ヤマニカップの顔でもある日本のシード選手、梅田竜二は今年は本領発揮とはいかず、3勝4敗1分の5位で大会を終えた。梅田に代わるようにして日本代表格として奮闘したのが、昨年度の全日本選手権者であり、日本ランキングNo.1の船木耕司。船木はサンチェス、カシドコスタス以外の国内勢6名に全勝し、6勝2敗で3位フィニッシュ。応援に駆けつけた師匠・小森純一氏(元JPBF)の見守る前での大会初優勝は叶わなかったが、現・日本一プレイヤーとして最低限の責務は果たしたと言えるだろうか。
初出場で準優勝のカシドコスタス
アベレージは圧巻の1.925。世界トップの実力を見せ付けたサンチェス
来年、第10回という節目の年を迎えるヤマニカップ。来年も優勝争いはサンチェスを軸に展開していくことだろう。しかし、日本スリークッション界としては彼に勝たれてばかりでは面目が立たないのも事実。誰がヤマニでサンチェスを止めるのか。今から早くも来年度大会が楽しみだ。
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