西日本グランプリ第2戦
写真は左から3位タイ・田中雅明、準優勝・竹中寛、優勝・川端聡、3位タイ・大井直幸、ベストアマ・藤田佳宏選手
3月15日(土)に姫路市の『クエッション』を舞台に行われた『Grand Prix West(西GP) 第2戦』は爆裂左腕を持つ男・川端聡が優勝を飾った。これにより川端は、同シリーズにおいて初となる通算10勝を達成し、同シリーズ最多勝記録を樹立することとなった。
この日の川端は予選(テンボール・8ゲーム先取)を難なくクリアすると、本戦となるベスト16(以後7先)からは、北谷英貴、鎌田充昭、大井直幸というメンバーを相手に3試合で失点7という強さを披露してファイナルへ進む。反対の山からは久保田司、山川英樹、田中雅明を下して"サムライ"こと竹中寛が登場する。
サムライ竹中
川端と竹中のGPでのファイナルは2011年の第1戦以来2度目。その時はヒルヒルの激闘の末に川端が勝利を収め、昨年はJPBA公式戦ではないものの『兵庫オープン』の決勝で対決し、そこでは竹中が8-6のスコアで勝って兵庫オープン初制覇を遂げている。
好調の両者が真っ向からぶつかる好ゲームは、前半を竹中が4-2のリードで折り返す。だが主導権を得た川端がまさに大爆発する格好で4連続加点して逆転リーチ。そして最終マスとなった第11ラック。川端がダイナマイトブレイクで的球を大きく走らせての3個インから、取り出しのセーフティを決めると、バンクショット、キックショットと技の総合百貨店さながらの取り切りを決めて、元祖アグレッシブプレイヤーのテクニックと存在感を示した。
川端、豪快にブレイク
なお東日本グランプリの現時点での最多勝は土方隼斗の10勝で、これで東西のグランプリキングが勝利数で並んだこととなる。シリーズの始動時期や開催数などの違いにより単純な比較は出来ないが、西GP9勝の田中や、東西通算で9勝の栗林達、同通算8勝の赤狩山幸男、そして2009年にJPBA入りしてから既に東GPで7勝をマークしている羅立文と、西GPにおいて5年間で7勝を挙げている大井らも注目すべきところ。
東でGP最多勝を挙げている土方。記録の争いも今後の見どころか
また川端は今回の優勝で同シリーズで5年連続となる連続タイトル奪取も確定させた。競技生命が長いビリヤードというプロスポーツを、より面白く観せるという意味でも、こうしたデータを出すことが出来るシリーズの存在意義は大きい。願わくばより安定した開催数をキープして、その結果を元に年末に東西合同のオールスター的なビッグトーナメントが開かれれば、視聴率にも期待ができるのではないだろうか。
そんなシリーズを、プレイヤーとしてだけでなく、主催者サイドの立場からも盛り上げてきた川端。ますます磨きがかかる技を見ていると、GP2桁勝利も1つの通過点に過ぎないのだと感じさせた。
Akira TAKATA