第46回全日本選手権
昨日に全日程を終えた『全日本選手権』。既報の通り梶谷景美が自身4度目となる全日本制覇を遂げ、女子の部では9年ぶり、男子の部を合わせても2005年の奥村健(現JPBF)以来となる8年ぶりの日本人優勝によって、今年のジャパンオープン(土方隼斗、河原千尋が優勝)に続くタイトル奪還に沸きあがる結果となった。
日本にタイトルを取り戻した梶谷景美
さて、男子では北谷好宏がベスト8で台湾の柯秉逸に11-8で敗れて日本勢は終了。そして柯がそのまま頂上まで駆け上がって2年ぶり2度目となる全日本制覇を遂げた。昨年に続いて台湾同志のファイナルであり、台湾勢が3年連続で全日本を制圧したことは、彼らが男子プール界における世界地図の中心に位置することを示す結果と言えるだろう。
そして日本人男子。今年はベスト16に土方、大井直幸、菅谷慎太郎、北谷、川端聡という5名の強者を残した。だが菅谷との日本人対決となった北谷を除いて、残念ながら4人がここで終了となった。ただしそれはフィリピン人から地元で名手として知られる存在だと聞かされたジェフリー・イグナシオ、現ナインボール世界王者のトースティン・ホーマン、2012年世界ランキング1位で昨年本大会優勝の張榮麟。彼らと真っ向から渡り合った結果の敗戦だった。
男子・日本人最高位の北谷好宏
北谷好宏は梶谷が前回優勝した2004年に同じく5位タイで日本人最高位という足跡を残している。その高いポテンシャルを各方面から評価されつつも、しばらくタイトルから遠ざかっていた。だが先の『北陸オープン』で8年ぶりに公式戦優勝を果たし、再び存在感を示し始めた矢先の今回の戦績。ベスト32ではA・パグラヤンを下しており、9年前と同様に高い戦闘能力を実証したといえる。
全日本選手権で優勝する難易度は世界選手権のそれと変わらないとも言われている。もちろん国内で開催されるため日本人選手にとっては世界を体験する貴重な舞台だ。ここで海外戦から久しく離れていた北谷の活躍は日本人選手の力を見せたとも言えるし、彼自身が来シーズンに飛躍する契機にもなるだろう。
北陸に続き強さを見せた(この敗者最終は9-0で勝利)
そんな華やかな選手権という舞台。今年は例年以上に日本勢が海外のトップスターを倒す場面も多かった。またフィリピンをはじめ各国の新勢力も旋風を巻き起こし、世界のレベルも十分に肌で感じる機会にもなった。だからこそ台湾の強さが一段と浮き彫りにもなった。来年の見どころは日本をはじめ各国のスター競演による『ストップ・ザ・台湾』になるだろう。
Akira TAKATA