第13回スヌーカー・ジャパンオープン/アダムカップ
優勝はジャパニーズ・ドラゴン、福田豊選手
11月9日・10日(土-日)で開催された『第13回スヌーカー・ジャパンオープン/アダムカップ』は、3大会ぶりの出場となった国内スヌーカーの第一人者・ジャパニーズドラゴンこと福田豊選手の優勝で幕を閉じた。
9日の予選では全日本選手権者であり、現在タイ修行から一時帰国中の桑田哲也選手を抑えて、福田選手が1位でグループリーグを通過する。※各グループの通過者は下記の通り。
■リーグA(スヌーカークラブ会場)
1位:福田豊 2位:桑田哲也
■リーグB(スヌーカークラブ会場)
1位:長谷修次 2位:栗本高雄
■リーグC(グリーンルーム会場)
1位:水下広之 2位:中川淳
■リーグD(フルーク会場)
1位:神箸久貴 2位:笹田敦史
桑田選手、4連覇はならず
10日に行われたベストオブ5(3ゲーム先取)の決勝トーナメント・ベスト8では、9月のランキング戦で優勝し、かつこのところの大会でコンスタントにハイアベレージを残す笹田敦史選手を相手に、福田選手が3-0と自分のペースに持ち込んで快勝。
同じベスト8では日本ポケットビリヤード連盟(JPBA)所属の神箸久貴が、大会3連覇中の桑田選手を接戦の末に下して準決勝へ。同じくJPBAの水下広之は、ランキング1位シードの栗本高雄選手に1-3で敗れた。
神箸久貴がJPBAの意地を見せ、桑田選手を撃破
続く、準決勝でも福田選手の勢いは止まらない。相手は桑田選手を倒した神箸だったが、やはりキャリアに勝る福田選手が優勢に試合を進め、またしても1フレーム(ゲーム)も奪われることなく3-0で勝利を挙げた。
準決勝のもう1カード、栗本選手vs長谷修次選手の試合は、先に2フレームをものにした栗本選手を長谷選手が追い掛ける展開となり、3フレーム目では41点のブレイク(連続得点)などで1つ返して追いすがるが、4フレーム目をものにできず。栗本選手が決勝へ進んだ。
苦しい場面もあった栗本選手だが、ファイナルまで勝ち上がる強さは流石
そして決勝は近年の国内スヌーカー界をリードしてきた2人の対戦となる。桑田選手のタイでのレベルアップやJPBAプロの挑戦など、注目度の高い大会だったが、結果的には2人の健在ぶりが示されることに。
1フレーム目からロングや難しいポット(シュート)を交えながら福田選手が快調に加点していき、74-5としてフレームカウントでリードを奪うと、2フレーム目も順調に得点を重ね2-0と勝利にリーチ。しかし、3フレーム目は序盤に福田選手がリードを奪うも、栗本選手が粘り強いプレーで徐々に点差を詰め寄る。
「『ドラゴンワールド』に相手を引き込んでいた」(水下広之[JPBA])
残り3球(ブルー・5点/ピンク・6点/ブラック・7点)の時点で50-32。栗本が全部を決めれば同点に追い付くことができるという状況の中セーフティを絡めながら2球を落とす(点数の低い色から順に)が、最後のブラックを決めきれず。福田選手がコーナーに沈めて優勝トロフィーに手を掛けた。
このところ遠ざかっていたトーナメントへの出場に踏み切ったのは「今年から世界選手権のマスタークラスへの出場権が得られる年齢になったので、公式戦にまた出場することにした」からだという福田選手。
最近は自身ためではなくキュースポーツの繁栄のための動きが多かったが、これからは再び一トーナメントプレーヤーとして「ジャパニーズドラゴン」の躍動する姿を見せてくれそうだ。