WWTBC ステージ2・予選ラウンド最終日
会場内のTVテーブルではスター達の華麗な戦いが繰り広げられている
日曜日にフィリピンへ入ってから早1週間が過ぎようとしています。ステージ2に入ると大会は世界選手権の顔を覗かせ、超のつくショッピングモール内に7台のテーブル(内1台はテレビテーブル)を設けた特設会場には、通路を埋め尽くすほどの観客が集まっていて、ビリヤードのメジャー感を存分に堪能しています。
夕川景子は今年のナインボール世界選手権優勝の韓雨と対戦
ステージ2、2日目の昨日は
夕川景子が3戦を消化して2勝2敗に、
梶谷景美が2試合を行い3勝1敗という成績で、ともに今日はラスト1試合に挑みます。梶谷の相手は
劉莎莎(中国)で日本時間午後6時のスタート、夕川は
韓雨(中国)と午後3時から対戦します。ともに日本でも馴染み深い世界の強豪です。ぜひ揃ってS2最終戦を飾って欲しいところですね。
ここまで3勝1敗の梶谷は劉莎莎と最終戦を戦う
昨日までの試合で強く感じたことは、各国のプレイヤーのアベレージが一段と高くなっているということです。ブレイク、ジャンプ、キックショットなどを含めて、明確な意図を持たせた全ショット、それを実現させる技術は秀逸。これは日頃の練習でしか修得できないものですから、常に舞台を想定した訓練を重ねていると強く感じます。
そんなプレイヤーが集まる中、梶谷と夕川もまた、日本代表にふさわしい品格とスキルを備えて闘っています。刻一刻と変化するテーブルコンディション、ワンショットで激変するゲーム展開、トライアングルを使用したレフリーラックなど、様々な要素を受け入れて、目の前に集中する様。日頃は身近なプロが少し遠くのスターに感じたりもします。
ディフェンディング・チャンピオンの金佳映。その存在感は今年も抜群
さて、昨日もテレビテーブルは大勢のギャラリーに囲まれていました。大音響で流れる音楽、目も眩むほどのライトアップ、陽気で賑やかなスタンド。その場にいるだけで興奮するエネルギーが存在します。中でもディフェンディング・チャンピオンの
金佳映(韓国)やフィリピンで大人気の
ジャスミン・オーシャン(オーストリア)の輝く姿は一際でした。
トップスターのオーラを放ちながら戦うジャスミン・オーシャン
服装やルックスもさることながら、世界の一流と呼ばれるプレイヤーの中でも、「アナタたちでは私には勝てない」と確信を持てるほどの桁外れの努力が存在していることでしょう。ジャスミンは韓雨にヒルヒルの場面でスペシャルな取り切りを決められて敗戦。韓雨もまたワールドスターにふさわしい準備をしてきたことでしょう。
そして韓はあどけなさを残す笑顔と爽やかさを残してテレビテーブルを離れ、敗れたジャスミンはファンから花束を受け取り、退場時にもまた大きな拍手に包まれて、白い歯を見せ長い手を振って会場を後にしました。
こんな華やかな舞台。梶谷と夕川はとっくに昔から知っています。彼女たちがここで最高の笑顔を見せてくれることを祈るばかりです。その瞬間を切り取って皆さまにお伝えするために私もここにいるのですから。
Akira Takata