第4回東北プロフェッショナルオープン
深夜2時過ぎにまで及んだタフなワンデートーナメントを制したのは、JPBAの関東支部から初参戦の浦岡隆志だった。
優勝の浦岡隆志
週末の9月1日(日)、仙台市の『プールウェブ』で『第4回東北プロフェッショナルオープン』の決勝トーナメントが行われた(※予選は近隣の各ビリヤード場も併用)。フォーマットはテンボールの8ゲーム先取と、「プロフェッショナル」の冠を掲げるのに十分な長さ。
決勝トーナメント会場となった宮城県仙台市の『プールウェブ』
第1回大会は2010年に約40名で行われたが、年々参加者が増え、「Rei Tip」(レイタップ)が協賛につき、昨年は世界チャンピオンの
赤狩山幸男も参戦し(※優勝)......と、急激にそのタイトルに重みが増してきている感のある本大会。今年は90名もの参加があった(うち、プロは16名)。
昨年優勝の赤狩山幸男は3位タイ
予選を通過した選手達は夕方にプールウェブに集結。そこからベスト32が行われたのだが、ここで6名ものアマ戦士がプロを倒すというスリリングで先の読めない展開となった。この結果、ベスト16にプロはわずか4名。
この4名とは、まずディフェンディングチャンピオンの赤狩山。そして、数日前から赤狩山と共に『チャリティ訪問』で東北3店舗を巡った
有田秀彰、
中島美秀。さらに浦岡隆志という面々。
3位タイの金子洋行選手(Rei Tip)
そこから、ベスト16で中島美秀が山﨑哲選手(MPBA)に止められ、ベスト8では赤狩山vs有田のプロ対決があり(※赤狩山に軍配)......と、プロが一人ずつ脱落し、4強はプロ2・アマ2という顔ぶれに。
まず、今年も最大級の注目を集めた赤狩山は、セミ・ファイナルの相手に福島県『ナイス』所属の斎藤隆宏選手を迎える。この試合は赤狩山優勢で進んでいたが、中盤以降、斎藤選手が素晴らしい攻撃力を見せて次々にポイントを重ね、8-7のヒルヒル勝利で大金星を上げた。
赤狩山を破る金星を挙げた準優勝の斎藤隆宏選手(ナイス)
セミ・ファイナルのもう1カードは浦岡と、関東から参戦のRei Tip所属・金子洋行選手。この試合は浦岡が要所を押さえた的確なプレーで金子選手を寄せ付けず8-4で勝利した。
こうしてファイナルは浦岡vs斎藤選手というプロ・アマ対決に。先行したのは斎藤選手だったが、さすがに疲れも出てきたのか中盤以降でミスが出てしまう。その好機を浦岡がみすみす逃すはずもなく、丁寧にランアウトを重ねて8-5で勝負あり。プロフェッショナルの面目躍如たるプレーで第4代チャンピオンに輝いた。
「ミスもありましたし、内容はそれほど良くなかったですが......」と控えめに語った浦岡だが、疲れを顔に滲ませることもなく一心不乱に球に向かっていたあの姿こそが浦岡の強さの源であり、プロフェッショナリズムである。その浦岡は、賞状と賞金と併せて「ソウル旅行」など数々の副賞を贈られた時に満面の笑みを見せていたことを付記しておきたい。
協賛の『Rei Tip』からは副賞としてソウル旅行が贈られた(写真左はRei Tip代表の堀内良太郎氏)
今大会の実行委員長であり、東北ビリヤード連盟の常任理事である北谷一郎氏は、「想定よりも大幅に時間がかかってしまい、選手の皆さんに負担を掛けてしまったことをお詫びします」と述べつつも、参加人数の増加やアマチュアの健闘については「喜ばしいこと」と語った。
「今回は浦岡プロが『さすがはプロ』という姿を見せてくれました。昨年度覇者の赤狩山プロもそうですし、やはり実績ある選手や、関東在住の方の参戦が増えれば、我々にとってとても良い刺激になりますし、交流が生まれます。反省点を考慮しながら、来年の開催に向けてまた準備して参ります」(北谷氏)
まだ試行錯誤の段階にある本大会だが、「東北ビリヤード界の名物行事」として完全に定着する日もそう遠くないだろう。
T.KOBAYASHI(B.D.)