第24回スリークッションジャパンカップ
大会連覇の金京律
キャロム界の夏の祭典、『第24回ジャパンカップ』が8月31日~9月1日に開催された。会場は5年ぶりとなる『ビリヤード小林』。前年度チャンプ、韓国の金京律を含む、海外勢9名に対し、迎え撃つ日本勢は女子2名を加えた47名。猛暑がぶり返した首都圏の週末。会場内では屋外に負けない熱戦が繰り広げられた。
準決勝まで勝ち上がり、日本勢最後の砦となった水内誠二
フォーマットは30点ゲームのシングル・イリミネーション。ベスト16から4名、ベスト32からも4名のシード選手が出場する。今大会はここ数年海外勢の優勝が続き、日本人チャンピオンは第17回の甲斐譲二以来、7年も出ていない。
今年は『東京オープン』の萩原孝昌、『全関東』の界敦康と、公式戦初優勝者が2人も誕生。梅田竜二も7月の『インドアゲームズ』で金メダルを獲っているだけに、勢いに乗っての日本人チャンプ誕生に期待は高まった。
水内に逆転勝利したベトナムのリー
だが、そんな期待をよそに日本勢は苦戦を強いられる。ベスト16シードだった梅田、竹島欧が初戦で敗れるなど、結局ベスト4に進めた日本勢は1回戦から勝ち上がって来た水内誠二だけになってしまった。その水内の対戦相手はベトナムのベテラン、ジャパンカップ初参戦のリー・テッビン。
最後の砦となった水内は序盤から押し気味に試合を進め、25キューで25-18と上がりを視野に入れる。しかし、なんとそこからリーが12点のラン! 水内、悔しい敗退となってしまった。
サンチェスは13点のハイランを叩き出す
対照的に有力海外勢は順調に勝ち上がる。2回戦からの参戦となった一昨年のチャンピオン、ダニエル・サンチェス(スペイン)は3回戦で佃昌憲(アマ)を相手に10キュー、ハイラン13のベストゲームを叩き出し、2日目に入っても甲斐譲二、新井達雄と日本のベテランの挑戦を退け、ベスト4へ駒を進めた。
対するは連覇に挑む金。だが、"事実上の決勝戦"となったこの試合でサンチェスの当たりが止まる。金は中盤7点のランでリードを拡げ、22キューで難敵退治に成功した。
金のアベレージ1.82は抜きん出ていた
海外勢対決となったファイナル、バンキングに勝った金はプレッシャーからか初球を外すも、2キュー目から怒濤のラッシュが始まり、7キューで23-8と大差を付ける。リーも粘ったが15点まで。13キューで金がフィニッシュして、大会二連覇達成となった。
金の4試合でのアベレージ(AV)は1.82。自国開催だったインドアゲームズと、『カリ・ワールドゲームズ』で共にメダルを逃していた金、この優勝でさぞ溜飲を下げたことだろう。サンチェスのAVが5試合で1.53に終わっただけに、金京律の強さが際立った大会であった。
On the hill !