吉岡正登プロの挑戦に見えてくるもの
『Pool Studio』は吉岡正登プロによるプライベートレッスン専用のスペース
以前にもCUE'S誌面や当サイトで紹介をしたが、吉岡正登プロ(JPBA)の挑戦は続いている。『POOL STUDIO』(大阪市中央区)という、ポケットテーブルを2台設置したプライベートレッスン専用のスタジオ。ここを舞台に繰り広げている新しい試みを、業界全体のヒントを探る意味で紹介してみたい。
ビリヤードとJAZZ。またまた上質なコラボが実現した
先月から催されたイベントだけでも『ジャズナイト』『ビリコン』『POOL STUDIOカップ』『夏季集中教室』などが挙げられる。ジャズナイトはジャズ奏者を招いて演奏とトリックショットを楽しむイベント。今回は鶴原学プロ(JPBA)がゲスト出演して、参加者はワインを片手にジャズとビリヤードを堪能したという。
トリックショットショーの様子。従来のプレイヤー以上にウケはよいという
ビリコンは独身の男女がワイワイとビリヤードを楽しみ、2次会はワインバーへ。スタジオカップは「教室の発表会のイメージで」レッスンの成果を発揮する場として機能。夏季集中教室はジュニアや学生を対象としたコースがあり、コンセプトは「ラジオ体操」だという。
第2回POOL STUDIOカップの参加者で記念撮影
さらに『悠々サークル』という65歳以上を対象としたサークルも発足。また同スタジオでは定番となりつつある『女子会』も、次回はフレンチのシェフを招いてフランス料理とトリックショットの2本立てで開催を予定している。
この多様なイベントはいずれも「ビリヤードを身近に感じる」場であり、さらに明確に示されるコンセプトは、より企画の輪郭をはっきりさせることで、マッチングに成功していると窺える。これは多くのビリヤード場にも同様の可能性やヒントとなるに違いないだろう。
もちろん吉岡プロはプレイヤーとしても嘱望される存在であり、現時点で彼だから新たな挑戦が成せている点を認めた上で、業界全体の役割分担を考えた時に、日の丸を背負って戦うプレイヤーという立場に専念して欲しいという意見があることも事実だ。
ビリヤードが持つポテンシャルの高さ。それをいかに引き出していくのか。吉岡プロのパイオニア的な活動にヒントを探り、そこに地域性や店舗の特質を加味して活かし、さらに連携機能を強化していくことが、今求められているように思う。
※イベントの詳細などについては吉岡プロの公式サイトに記されています
http://www.masato-yoshioka.com/
Akira TAKATA