第53期名人位は9月1日に決定!
半世紀以上の歴史を誇る、アマチュア最高峰の戦い『名人戦』。明日の日曜日に名古屋市の『MARCY(マーシー)』において、第53期名人位が決定する。和田敏幸現名人が3期目の名人位を守るのか、先の記事で紹介した醍醐雅人が大きなトロフィーを千葉県へ持ち帰るのか、注目が集まる一戦だ。
現名人の和田敏幸
今回の対決を見る前に、見直しておかねばならない名人の系譜がある。2005年から名人位に就いた田中裕也(大阪)から名人位のトロフィーを奪い島根県へ持ち帰ったのが持永隼史。それが2007年のことだった。
そして持永は3度の防衛に成功する。だが、4度目を阻止したのは、持永の兄貴格で防衛戦のセコンドを務めてきた盟友の和田敏幸だった。和田が愛知に移籍してからも互いに行き来する仲だっただけに、ともに複雑な心境だっただろう。
挑戦者の醍醐雅人
そして持永ー和田がコンビで名人位タスキをつないだこの7年間で、醍醐は千葉県勢として3人目の挑戦者となる。寄井田幸美、石橋正則、そして醍醐。まさしく3度目の正直を狙う。この3名を擁する千葉県チームが先の『
全日本都道府県対抗』で日本一に輝いたことは記憶に新しい。そんな強豪千葉の期待を一身に背負って醍醐が名古屋に乗り込む(調整のため数日前から乗り込んでいるとの情報もあり)のが今回の一戦だ。
和田は国内屈指のテクニシャンであり、かつゲームを掌握するテクニックに長けた、アマチュアポケット界で高い評価を集める巧者。まさしく名人的存在にある。さらにローテーション300点ゲームの5セット先取という、決定戦独特のロングフォーマットでは持永を応援していた頃からずっと経験しており、防衛に死角なし、との評もある。
一方、醍醐は昨年の『全日本オープンローテーション』(JPBA公式戦)でトッププロたちをなぎ倒して優勝するなど、近年は特に強さと上手さがかみ合った印象で、前出の都道府県対抗では千葉県チームの主将的ポジションで優勝に導いた。個人戦でもハイアベレージを残し、最強挑戦者との呼び声も高い。
愛知の和田、として定着してきた和田がホームで期待に応えるのか、それとも千葉県勢の悲願を醍醐が叶えて吠えるのか。熱戦は必至。スタートは明日の10時。
Akira TAKATA