第53期名人戦・A級戦
醍醐雅人は「ガッツポーズは次に勝ってからです」と、視線を早くも先へ向けた
8月18日(日)に京都市の『ピカソ』で開催された『第53期名人戦・A級戦』が先ほど終了し、今年の名人挑戦者は千葉の醍醐雅人に決定した。北海道から沖縄まで各地区の代表15名と、昨年のA級優勝者であり名人位決定戦で敗れた石橋正則(シード・千葉・CPBA)の計16名がローテーション240点先取、完全ダブル・イリミネーションのフォーマットで戦った。
会場となった京都市『ピカソ』
今年は例年以上に最終ラック(第4ラック)にドラマが多く誕生し、スーパーショットからのランアウトや、土壇場での「まさか」など、ゲームボールを沈めるまで予測のつかないスリリングな試合が多く見受けられた。
そんな中で勝者側から決勝へ進んだのは兵庫の堂園雅也(HRC)で、彼が近年の大会で見せる高いアベレージの裏付けを証明した格好に。一方、敗者側では今年も実力者同士の容赦ない潰し合いが続出。敗者5回戦では神奈川の酒井大輔がキックショットを見事に決めた直後に「まさか」のキューミスが出て、音田誠(鳥取・TRQ)が九死に一生を得て敗者最終戦へと駒を進めた。
勝者側から見事に勝ち上がった堂園雅也(HRC)
そこへ下りてきたのは、堂園とのラスト1球勝負に敗れた醍醐雅人(千葉・CPBA)で、ここでも最後の2球までもつれ込む熱戦を披露した末に、醍醐がサイドバンクでゲームボールを決め、決勝戦は堂園と醍醐の再戦となった。
醍醐は堂園との再戦でリベンジに成功しての挑戦権獲得だった
醍醐のブレイクでスタートしたファイナル。醍醐が勝った場合にはプレーオフがあるため、堂園は2戦のうち1勝すればよいのに対して、醍醐は2連勝が命題として課せられる状況に。ここでゲームの中盤から主導権を握った醍醐が3ラック目で決着をつけて、お互い1勝1敗のイーブンの状況で勝負はプレーオフへと持ち込まれた。
A級戦に挑んだ16名の撞球戦士達
再びブレイクは醍醐。そして、1ラック目こそ両者にミスが見られたが、醍醐が尻上がりに調子を上げて得点を重ね、結果、堂園を24点に抑えてA級戦優勝を飾った。醍醐は9月1日(日)に名古屋市の『MARCY(マーシー)』で開かれる『第53期名人位決定戦』に、挑戦者として和田敏幸現名人に挑む。
あと2週間。アマチュアの夏は名古屋の熱戦で幕を下ろすこととなる。